日本ハム万波中正外野手(21)が断食ならぬ“断ウエートトレ”を敢行中だ。今オフは1カ月以上、ウエートトレーニングから離れ、主に体幹強化のトレーニングメニューを続けているという。チームNO・1の飛ばし屋が異色の取り組みを実施する狙いとは? 23日、自主トレを行った2軍本拠地の千葉・鎌ケ谷で明かした。

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鎌ケ谷のグラウンドで走り込んだ万波は、今オフに取り組んだ異色の試みについて話しだした。「今、1カ月以上、ウエートトレーニングを全くやっていない。僕らの目的って筋力を上げることではなくて、野球がうまくなることなので」。シンプルな言葉で“断ウエートトレ”に至った理由を説明した。

きっかけは全ての野球に関する動作を見直したことだ。「いろいろ動き方がおかしくなっていた」。投げる際は右肩が前に出すぎていたり、太ももへ負担がかかりすぎる走り方になっていたりなど。さまざまな修正ポイントが浮き出る中で「しっかりした動きができていない中でウエートをすることで悪い動きを助長する部分もあった」と気付き、納得してウエートトレーニングから距離を置いた。

重点を置いたのは体幹強化だ。「正しく体を使って力を発揮して動けるようになるために、体幹を重点的に鍛えて体の連動性を高める」。通う都内のジムでは、水が大量に入ったウオーターバッグを使ったトレーニングなどで強化を進め、効率的な体の動きを体に染み込ませている。

成果も実感している。「自分がしたいスイングにも近づいているし、スローイングも。いい効果が出てきている」と、手応えがにじむ。理にかなった体の動かし方は日常生活でも効果を発揮。猫背だった姿勢も矯正された。「肩とか首の張りもなくなりました。『背、高くなった?』とか言われたり」。実際に身長は伸びていないが、見た目はBIGに“成長”した。

並外れた身体能力の持ち主で、現状でも「パワー不足は感じない」。体に正しい動きが身につけば、ウエート再開も視野に入れるが、信じた道を突き進んで「結果的に野球がうまくなっているかどうか」。結果で示す1年とする。【木下大輔】