今年1月、帝京平成大は63年ぶりに東都大学野球リーグに新規参入を果たした。チームは現在、今春のリーグ戦に向け、静かに闘志を燃やしている。

目指すは神宮の舞台だ。明徳義塾時代に夏の甲子園で松井秀喜氏を5打席連続敬遠し、卒業後は専大でプレーした河野和洋監督(47)は「まずは選手をコロナから守ること」と前置きした上で、「(最大の目標は)1部での優勝です。そのためにも今年は2度の入れ替え戦を勝てるように」と力を込めた。

コロナ禍で、1月はグラウンドが使用できなかった。2月から「危険回避以外の声を出さない」など、感染対策に配慮した上で全体練習を開始。4日もチームは3班に別れ、1班2時間半ずつ練習を行った。打撃練習中には河野監督から選手同士の間隔に対する注意が入るなど、対策を徹底している。

昨秋は千葉県大学野球2部リーグで創部初の優勝。1部との入れ替え戦を辞退し、東都大学リーグ4部からのスタートを切る。順調に勝ち進むことが出来れば、23年秋にも1部で戦うことが出来る。

河野監督は「特に新3年生たちは神宮で戦えるチャンスがありますから。チームはだんだんと目標に向かってまとまりつつあります」と話した。

新チームの主将を務めるプロ注目右腕・更田(ふけた)篤稔主将(3年=横浜)は、東都大学リーグへの参加に「自分はワクワクした気持ちが大きいです。環境も変わりますし、注目を浴びる中でプレー出来るのは楽しみです」と笑顔をみせた。昨秋は2部リーグながら最多勝、ベストナイン、最優秀選手賞を受賞。新天地での活躍をみせ、目標のプロ入りを目指す。【阿部泰斉】