開幕星-。広島大瀬良大地投手(30)が7回途中6安打3失点(自責2)の粘投で、チームの今季初勝利に貢献した。寒さや独特の緊張感がある中、立ち上がりから丁寧な投球を徹底。7回に3安打を集中されて降板したものの、4年連続4度目の開幕投手として、役割を見事に果たした。

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期待を背負えば、背負うほど強くなる。大瀬良は開幕マウンドで執念の投球を見せた。立ち上がりから150キロを計測するなど気持ちを球に乗せた。思うように投げきれない球種や逆球も見られたが、細心の注意を払いながら1球1球を投じた。6回まで2四球を出しながらも、長打を許さずに最少失点でしのいだ。7回に初長打を含む3安打を浴びて途中降板も、勝利に導く投球だった。

「中盤以降、出力が下がってしまったんですが、それでもしっかり対応してやっていこうと投げました。(開幕投手を)重ねれば重ねるほど、責任感、緊張感はすごくて、これまでの3回と比にならいくらい、めっちゃ緊張しました」

4年連続4度目の大役も、力みがわずかな乱れとなった。ただ、30歳でシーズンを迎える今季、力だけではない。経験を重ね、技の引き出しも増えた。球種が増えたことで打者を惑わせ、この日は逆球が見られた制球も低めは徹底した。いくつもの武器を得たことで安定感が増した。

投球だけでなく、年々、洗練さが増しているのは準備にも表れている。登板2日前のブルペンの球数は45球前後から30球前後に減少。登板前日に行っていた平地での投球練習も今年は行っていない。1月にブルペン入りせずにキャンプインしたのはプロ初だった。効率化を図り、投手として進化を続ける。

開幕での強さを示した。開幕戦に限れば、4試合で3勝0敗、防御率1・45だ。今年はエースに加え、選手会長の肩書が加わり、勝利への強い意志をチームに示さなければいけなかった。エースの投球に打線が応え、爆勝スタートとなった。「気持ちよく投げられましたし、最高のスタートを切れた。また明日からチームみんなで頑張りたい」。好発進させたチームを今季は先頭に立って引っ張っていく。【前原淳】