中日柳裕也投手(27)が、両リーグ一番乗りとなる完封で今季初勝利を飾った。6回に阿部の適時打でもらった1点を守り、チームを初の3連勝に導いた。

【ニッカン式スコア】3日の中日-広島戦詳細スコア

1点リードの9回1死二塁。代打松山に四球を与えて一、二塁に。ここで立浪監督が就任以来、初めてマウンドへ。「絶対大丈夫。ゲッツー取れるぞ。頑張れ!」。指揮官から直接、激励を受けた柳はその言葉通り、4番マクブルームを三ゴロ併殺に仕留め、右拳を突き上げた。

柳「監督がマウンドに来ることはあまりないことだと思いますし、ここまで頑張ってきたのだから、もう1回、攻める気持ちで、と言っていただいた。(間近で)目を見て気持ちが高まりましたし、それがボールに乗り移ったと思います」

立浪監督「1回、間合いを取りに行って、というのもあるんですが、必ずゲッツー取れるから、と。暗示をかけたと言いましょうか。代えるつもりはなかった。よく踏ん張ってくれました。(言葉通りの結果は)たまたまです」

主演男優と新監督の息はマウンド上でピタリと合い、魔法の言葉に導かれるかのように最高のエンディングを迎えた。

柳にとって完投は自らに課した義務だった。前日2日は延長12回を戦い、ベンチ入り9投手が登板。「昨日の試合に勝ったときから1人で投げきろうと思っていました」。開幕から好調の広島打線を8回まで二塁も踏ませない完璧な投球。昨年最優秀防御率と最多奪三振のタイトルを獲得した右腕が、中盤からは新球の超スローカーブも織り交ぜた133球の力投。自身4度目の完封劇でチームに新たな勢いを与えた。【安藤宏樹】

▼中日柳が広島打線を3安打に封じ1-0で完封勝利。柳の完封勝ちは通算4度目だが、1-0での勝利は21年6月1日のロッテ戦(バンテリンドーム)に続き2度目。前回は6回に単打を許しただけの1安打ピッチングだった。

▽中日落合ヘッド兼投手コーチ(完封の柳について)。今シーズン、日曜日に投げてもらうという大事な意味があり、2試合目で申し分のない素晴らしい投球をしてくれました。柳投手には感謝しかありません。

▽中日ビシエド(6回に二塁打を放って先制機をつくり) 打撃の調子はよくなってきてます。阿部選手が自分をホームに戻してくれて貴重な得点になりましたし、柳投手が素晴らしい投球をしていた試合でいい仕事ができたと思います。

▽中日阿部(6回に左前へ決勝打) 柳が頑張っていましたし、ビシエドが(2死から二塁打で)チャンスを作ってくれたので、なんとか返したいという気持ちがヒットになってくれたと思う。ヒットになってくれれば何でも会心です。