〈中日1-0広島〉◇3日◇バンテリンドーム

中日柳裕也投手(27)が、両リーグ一番乗りとなる完封で今季初勝利を飾った。6回に阿部の適時打でもらった1点を守り、チームを初の3連勝に導いた。1点リードの9回1死一、二塁のピンチでは、立浪監督が初めてマウンドに向かうシーンもあり、最後は4番マクブルームを三ゴロ併殺に仕留めた。柳は「気持ちが高まりましたし、それがボールに乗り移ったと思います」。立浪監督も「よく踏ん張ってくれました」とたたえていた。

【ニッカン式スコア】3日の中日-広島戦詳細スコア

柳は開幕直前の3月下旬、名古屋市にある倶利加羅不動寺を訪れた。投手2冠に輝いた昨季の開幕前にも敢行した滝行を行うためだ。

たった1人で訪れ、滝行を終えた柳を、森下瑞堂住職が今年は龍神堂に案内し、本尊である琵琶湖の龍神「淡海龍神」に対面させた。「中日の監督だった星野仙一さんも滝行の後に拝んでいました」。星野さんは18年に他界したが、柳と同じ明大のエース兼主将を務め、ドラフト1位で中日入り。森下住職は、柳の2年目となる滝行を大先輩星野さんと“同レベルにバージョンアップ”してくれた。

龍神堂での祈りを終えた柳は「マウンドでは龍神さまの姿を思い浮かべます」と話し、同寺を後にしたという。熱血指揮官を支えた龍神も、柳の両リーグ完封一番乗りを後押ししてくれたようだ。【中日担当=伊東大介】