フレッシュな力の目覚めも、勝利にはつながらず…。日本ハムは8日楽天戦(札幌ドーム)で、高卒3年目の上野響平内野手(20)がプロ初安打&初四球を記録。2試合連続で先発起用した、新庄剛志監督(50)の期待に応えた。チームは先発の伊藤大海投手(24)が6四死球と乱調で2敗目。打線は楽天投手陣の前に今季5度目の完封負けを喫し、チームは今季初の2連勝を逃した。

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助言を胸に、無我夢中でバットを振った。0-1の3回1死一塁。日本ハム上野の打球は、左翼線への二塁打に。プロ3年目、通算6打席目で生まれた初安打に「朝、BIGBOSSから『どんどん行け。見逃し三振するな』と言われたので、(バットを)振って行こうと思った結果、甘く入った変化球を拾えた」。真っ先にベンチを飛び出し、上野のために記念球を“確保”した新庄監督は「プロ初ヒット、おめでとう! ここから、ガンガン成長して欲しい」と大喜びだ。

京都国際から19年ドラフト3位で入団。もともと、遊撃守備の評価は高かった。課題は打撃で、2軍戦では今季も開幕から25打数3安打、打率1割2分と低迷。それでも、新庄監督は昇格を決めた。6日ロッテ戦(札幌ドーム)で1軍に合流すると、即遊撃手としてスタメン出場。3打数無安打も、自慢の守りでは華麗なグラブさばきで2つの併殺を完成させた。

新庄監督 イメージ的には、宮本慎也さん(元ヤクルト、日刊スポーツ評論家)みたいになってほしい。しぶとさがあって、気が付いたらヒットを打たれているような。僕、守っていて、イヤでしたもん。速い球は右方向に打つけど、カーブが行った時はガツンと引っ張る。ものすごく、考えさせられる打者。そういう選手になってくれたら。

レギュラーをめぐる競争は、しばらく続く。「まだまだ使いたい選手が、BOSS組にはいっぱいいる」と指揮官。チームは今季初の2連勝を逃したが、未来へつながる芽は育っている。【中島宙恵】