BIGBOSSこと新庄剛志監督(50)が90球で今季初完封勝利を挙げた加藤貴之投手(29)の快投を「カドックス」と命名した。

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100球未満での完封をメジャーでは「マダックス」と呼ぶ。自身初のマダックス達成となった加藤の投球に、BIGBOSSも試合後は大興奮。「カドックス。安心感バリバリありました。素晴らしかった」と絶賛した。

新庄監督が褒めたのは、加藤が投げていた100キロ台のスローカーブだった。「何がいいって、あのカーブ。バッターからすると、カーブってめちゃくちゃ見えるから、打てる気がして手を出したらゴロってパターン。まさにカドックス。カドックス分かる? マダックスは、来たっと思ったらゴロばっかり。頭にくる素晴らしいピッチャー」と、自身のメジャー時代の思い出もよみがえらせながら、加藤をたたえていた。

◆マダックス 100球未満での完封を意味する言葉として使われる。86~08年に大リーグのブレーブスなどで通算355勝を挙げ、殿堂入りした大投手グレグ・マダックスは、通算35完封のうち13度を100球未満で達成。抜群の制球力は「精密機械」と呼ばれた。球数で降板のタイミングを管理する現代の野球では、100球未満の完封が先発投手の理想になる。

◆新庄対マダックス 新庄監督がメジャー挑戦していたころの、マダックスは全盛期だった。通算5打数1安打。分は悪かったが、ジャイアンツ時代の02年5月15日は第1打席で低めの直球を中前にクリーンヒット。7回1死まで1安打に封じられたジ軍打線の中で、存在をアピールした。第2打席でも左直。「制球ミス? 彼がただ打ったってことだ」と通算355勝右腕は悔しさをにじませていた。

◆加藤貴之(かとう・たかゆき)1992年(平4)6月3日、千葉県生まれ。拓大紅陵では甲子園出場なし。新日鉄住金かずさマジックでは野手転向後に投手に再転向。15年ドラフト2位で日本ハム入団。21年10月18日楽天戦でプロ初完封を記録。通算成績は161試合で35勝34敗、防御率3・58。182センチ、87キロ。左投げ左打ち。今季推定年俸7300万円。