敗戦でも「糸糸コンビ」の織りなす打撃が光明になった。阪神糸井嘉男外野手(40)がDeNA先発ロメロに襲いかかる。1回2死満塁。チェンジアップをとらえ、強烈なゴロを三塁宮崎にダイブ捕球された。だが全力疾走で先制適時内野安打をつかんだ。

【関連記事】阪神ニュース一覧

「みんなが満塁で回してくれたのでセーフになることができて良かったです」

40歳ベテランの覇気に糸原健斗内野手(29)も燃えた。なおも満塁機でツーシームを完璧にとらえた。ライナーでロメロのグラブをかすめ、中前へ。鮮やかな2点タイムリーになった。「目の前で糸井さんの全力疾走で先制できた直後。いい流れに乗って追加点を取れてよかった」。2人のバットで3点奪取。幸先よく滑り出した。

悔しい逆転負けを喫したが、3試合ぶりの先発出場となった糸原の快音は好材料だろう。1回の適時打は3月25日の開幕ヤクルト戦(京セラドーム大阪)以来、実に20試合ぶりのタイムリー。4回も遊撃内野安打でマルチ安打を刻んだ。開幕から本調子ではなく、長く打率1割台が続いている。この日は10日広島戦(甲子園)以来、7試合ぶりの安打だった。しぶとい打撃に信頼を寄せる矢野監督も「打線のなかでチャンスに回ってくる。健斗が元気になると、またムードが変わる。今日をきっかけにしてもらえたら」と先を見据えた。【酒井俊作】