絶対的エースに土がついた。オリックス山本由伸投手(23)が8回6安打2失点(自責1)と好投したが打線の援護なく、自身の連勝は18でストップ。自己国内最速タイの157キロを計測したが、昨年5月19日ロッテ戦以来、335日(約11カ月)ぶりの黒星を喫した。ソフトバンク戦は昨季3完封を含む6勝1敗だったが「悔しいですね。仕方ないです」と唇をかんだ。

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不運が続いた。0-0の6回1死一、三塁。3番中村晃を遊ゴロに仕留めたが、紅林が二塁に悪送球。痛恨のタイムリー失策で先制点を献上した。直後の1死一、三塁のピンチも4番グラシアルを遊ゴロに打ち取り、今度は紅林がしっかり二塁送球。だが、二塁手の安達がボールを握り損ねた一塁悪送球で併殺崩れとなる間にもう1点献上。味方のミスで失点を重ねた。

山本は、仲間を思いながら「とにかく最少失点であの回を終えることを考えてました」と声を絞り出した。中嶋監督は6回の守備について「あの隊形(中間守備)にしてしまったのは、こちらの指示なんでね。あそこ、もちろん前(前進守備)でも良いんでしょうけど。こちらの指示ミスです」と二遊間をかばった。

一方で今季5度目の0敗を喫した打線にはおかんむりだ。「なんで(得点が)入らないんだろうなぁ…。くそぉ! (山本に)本当に申し訳ないと思っています。のほほーんとしているメンバーがいたら、出る資格はない」。次回登板で、野手陣は攻守で山本にお返しをしたいところだ。

敗れたとはいえ、山本は18連勝が始まった昨年5月28日のヤクルト戦から、21試合連続QS(6回以上で自責3以内)を継続。記録は止まっても、新たな伝説を築いていく。【真柴健】