阪神中野拓夢内野手(25)が開幕戦以来の3安打、自己最多の4打点と大暴れした。

初回、佐藤輝の先制2ランの後だった。「テルが良い流れを作ってくれたので、しっかりと続いていこうと」。2死一塁で金久保のスライダーを捉えて右翼席へ1号2ラン。昨年5月4日のヤクルト戦(神宮)以来、プロ2本目。その時と順番が逆ながら今回も佐藤輝とのアベック弾となった。

【詳細ライブ】佐藤輝明先制2ラン、小幡竜平プロ初本塁打などで快勝

「唯一の1本がここだったのでしっかり覚えています。ホームランより、チームが勝つことが一番大事。テルと2人で出てるからには、チームに貢献できるように頑張ってきたい」

3回無死一、三塁では、金久保の直球を逆方向の左に運んで1点を追加した。勢いは止まらず、5回は木沢から左前打、8回は中堅に犠飛を打ち上げた。この日の「6番遊撃」で、開幕から打順が入れ替わるのは8度目。これまでの「どの打順でも自分のやることは変わらない」という言葉通り、チーム得点の3分の1近くを淡々と稼ぎだした。

2勝1敗と勝ち越し、敵地でヒーローインタビューに呼ばれ、声を張った。「いい流れを明後日以降につなげたい。来週から全部勝つつもりで全力でやっていきます」。この流れ、手放すわけにかない。【三宅ひとみ】

◆佐藤輝と中野のアベック弾 21年5月4日ヤクルト戦(神宮)。1点リードの8回1死二塁で中野が左腕坂本の内角高め直球をすくい上げ、右翼席へプロ1号。「感触はよかった。入ってくれと願いを込めてボールを見ていました」。同期に刺激を受けた佐藤輝は、9回にサンズから2者連続、自身2戦連発の9号ソロ。「ルーキー2人でチームを盛り上げていけていることは、すごくいいなと思います」。球団の新人アベック本塁打は、望月と中村勝が72年5月30日大洋戦で放って以来49年ぶりとなった。試合は阪神が11-5で大勝した。