満員の“金曜朗希ショー”はまさかの結末だった。ロッテ佐々木朗希投手(20)の今季4勝目が目の前で消えた。2点リードの9回1死一塁、守護神益田がソフトバンク中谷に同点2ランを被弾した。ベンチでその様子を見つめた佐々木朗は、マウンドでは6回1失点。中11日で力感十分の直球は平均球速160.7キロ。160キロ台率は驚異の89.6%をたたき出し、強力打線相手にも力を示した。チームは延長戦で敗れた。

    ◇    ◇    ◇

午後9時過ぎ、中谷の飛球は無情にもスタンドに届いた。4勝目が消える同点弾。ベンチで見守るマスク姿の佐々木朗は、表情を変えなかった。

「走者を背負った場面が多かったので、とにかく低く、丁寧に。あとはコースを間違えないように。今日はしっかり、走者が出てからいい集中力を発揮できたかなとは思います」

リフレッシュでの中11日を経て、ソフトバンク打線にも剛速球を連ねた。初回、3番柳田。昨年6月24日の対戦で初球の153キロを本塁打にされた。この日は同じ初球で二ゴロに抑えた。球速は8キロ増の161キロ。「そういうところではしっかり成長できてますし。その中でフォークボールも生きてくると思うので。まだまだ対戦があると思うので、工夫していきたい」と1年間での確かな成長を実感する1球になった。

6回91球で、7回以降は救援陣に託した。投じた48球の直球のうち43球が160キロ台。その比率、89・6%。今季初のナイター登板。チケット完売の“金曜朗希ショー”は華やかだった。「序盤にまっすぐをはじかれてみたいなのが多かったので、途中からフォークを使いながら粘り強く投げることができたかなと思います」。3回のピンチはフォーク多投で柳田、グラシアルを連続三振。Kボードを持つスタンドをわかせた。

食事をともにした経験もある千賀と投げ合った。「リーグを代表する投手だと思うので、しっかりそういう投手に投げ勝っていけるように」と目指しつつ、この日は球速も結果も上回った。味方打線は防御率0点台の千賀を攻略。それでも勝てないのが、今のロッテの苦しい現実だ。佐々木朗がマウンドを降りてから2時間半後、敗北が決定。次こそ、笑顔の快投ショーを。佐々木朗希にかかる期待は大きい。【金子真仁】

 

○…守護神益田が9回1死に痛恨の同点弾を浴び、その後延長11回で敗れた。井口監督は「こういうゲームが何試合もあるんでね、勝てるべきところで勝ててないというのが今のチーム状況なのかなと思います」と嘆く。益田は今季12試合中6試合で失点し、この日で4登板連続失点中。今後のストッパー起用について井口監督は「変わらないです。代わりもいないですしね」と話した。

ロッテニュース一覧>>