日本ハム宇佐見真吾捕手(28)が「恩返し弾」で逆転勝利を呼び込んだ。5回の2号ソロは「ピッチングというものを教えてもらった人」である西武内海からの1発だった。

巨人でプロ2年目を迎えた5年前の春季キャンプ。那覇での練習試合で初めて大先輩とバッテリーを組んだ。「全然サインが合わなくて、点数を取られて…」。その5日後。ブルペン投球の捕手役に指名され、濃密な144球を受けた。

宇佐見 バッターを想定しながら毎球サイン交換して。「今のは、ええなぁ」とか「これの方がピッチャーはいいかもね」とか。細かく教えてくれた。

18年オフに西武へ移籍した内海を追いかけるように、宇佐見も19年途中に同一リーグの日本ハムへ移籍。この日が初対戦だった。「自分が投げたい球を、きっちり投げて打ち取っていた。『あぁ内海さんだなぁ』と。本当に偉大な方から打てたのは良かった」と、感慨深く振り返った。

守備でも内海から教わった基本をベースにエース上沢らを好リードした。新庄監督も「今日は上沢君と宇佐見君のホームランも大きかったね」と笑顔。正捕手を目指す宇佐見が大先輩の前で示した成長が、チームの連敗を4で止める原動力となった。【木下大輔】