不振のビシエドに代わって4番に起用された中日A・マルティネス捕手(25)が、いきなり結果を出した。2回、2試合連続の先制V弾となる2号ソロ。ヤクルトを首位から引きずり下ろし、3位に浮上。首位に2ゲーム差に迫るヒーローとなった。

「すごい打球が飛んだ。自分も驚いたくらいパーフェクトな打撃ができた」。左翼席中段まで運んだ自身初の2戦連発弾を、自画自賛。試合前、立浪監督から「4番、大丈夫か」と伝えられて臨んだ試合で、大役を果たした。「4番は意識しなかった」と言いつつ、興奮は隠せなかった。

立浪監督が、またも厳しい断を下した。今季も開幕から不動の4番だったビシエドの、6番への降格だ。「今の状態だと6番でいってくれ」と試合前、直接本人に伝えた。打率2割3分4厘も物足りないが、得点圏打率は1割6分2厘。19年以降、負傷やシーズン終盤を除いて4番に座り続けてきた聖域にメスを入れた。

代わって4番に指名されたのが、石川昂らのコロナ離脱で再び先発の機会が巡ってきたA・マルティネスだった。キューバから育成選手で入団して5年目。20年7月に死球の影響で欠場したビシエドの代役4番を務めた経験はあるが、臆することなく大役を務めた。不動の4番は心配だが「(ビシエドの)状態が上がってくるまではこのオーダーで」と立浪監督。当面は新たな4番を軸に、首位の座を狙う。【安藤宏樹】

 

▽中日清水(4番手で8回を3人で抑え)「みんなでつないで0点に抑えていたので続けていけるように投げ、抑えることができてよかったです」

中日R・マルティネス(連夜の完封リレーを締め、10セーブ目)「今日も勝つことができてよかった。明日もよい場面で投げて抑えられるように頑張るよ」

▽中日石橋(2試合連続完封リレーをリード)「本当に投手に助けてもらいました。投手が強い気持ちを持って投げてくれたので、僕は冷静にリードすることができました」