西武辻発彦監督(63)は「何でも聞いてくれ」と少し自虐的な笑みを浮かべ、報道陣の前に姿を見せた。ソフトバンク東浜にノーヒットノーランをくらった。出塁は中村、山川の四球だけ。その走者も併殺打で消え、27人で片づけられた。

球団名が西武に変わって以降、無安打無得点に封じられるのは、00年6月20日のエルビラ(近鉄)以来、22年ぶり2度目の屈辱。指揮官は「若い選手は未熟さが出た。どう攻略していくか。自分で考えて、もう少し粘り強くいかないと。打者がどういう待ち方をしているか。打つ球であるとか、打ち取られ方が悪い」と受け止めた。すべてが一級品の直球、シンカー、カットボール、ツーシームに狙い球を絞り切れず、外野に飛んだのも1球だけ。柘植の平凡な中飛だけだった。

打線はチーム2位の16打点を挙げているオグレディが妻の出産のため一時帰国し、源田、森は故障で欠く。ベストメンバーが組めない中での戦いを余儀なくされている。辻監督は「大変だよ。次から次にいなくなって。だけど、それでやるしかない」と語った。

東浜にリベンジの機会はすぐにやってくる可能性が高い。18日ソフトバンク戦で再び対戦予定。指揮官は「次に向けてしっかりやります。負けは負けだけど、この負け方を悔しいと思って」と言った。その上で「まだまだ(勝率)5割です。まだまだ大丈夫ですよ」

屈辱的な敗戦は糧にする。主砲の山川は「今日は悔しいですが、最高の球がきていたので、参りました。今日は完敗です」と認めた上で「ずっとやられるわけにはいかないので、次は打ち返せるように」と誓った。松井ヘッドコーチは「良い投球されましたね。ナイスピッチングでした」とし、「次回また対戦があるのでしっかり対策を練って選手たちに伝えていけたらと思います。やられたらやり返す」と“倍返し”への決意を高めた。

【関連表】ノーヒットノーラン達成者一覧