ロッテ佐々木朗希投手(20)が今季3度目のオリックス戦(京セラドーム大阪)で7回1失点と好投、今季4勝目を手にした。相手の積極攻撃を利用して打たせる投球。時折160キロ台をアクセントに入れながら、苦手の京セラドームを最少失点で投げきった。チームも今季2度目の3連勝で4位に浮上。5月の反転攻勢へムードをさらに高める“金曜朗希ショー”で、13日の金曜日を乗り切った。

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夜8時59分55秒。日本テレビ系列で「金曜ロードショー」が始まる5秒前、佐々木朗はお立ち台で「ありがとうございます!」と朗らかに声を上げた。6安打されながらも7回1失点。「本当に素晴らしい打線なので、どうにか1失点に抑えることができてよかったです」。すがすがしい表情で1日を振り返った。

朗希ショーのクライマックスは午後7時55分、6回2死二、三塁。5番バレラを追い込み、捕手松川のサインに3度首を振った。少しだけ目に笑みが浮かんだようにも見えた。「僕の中で投げたい球があったので。終盤で大事な場面、1点差で、抑えたいなと」。球場中で高まる心拍数を一気に落とすように、鋭いフォークで奪三振。松川と2度グータッチした。

3、4月の月間MVPに選出された。「初めてなのですごくうれしいですし、チームメートにすごく感謝しています」。心からの思いを口にした。行動にも自然と現れる。初回の攻撃、3番佐藤都が犠打を決めた。1死二、三塁。大事な初回へ向け、準備のキャッチボールをすぐには始めない。ベンチの端で佐藤都をお出迎え。ハイタッチしてから、ベンチを出た。

イニングが終わるごとに、アウトにした野手をベンチ前で待ち、グラブを重ねた。「京セラでなかなか僕自身もいい球がいかないことが多かったので、下手に高望みせず、アウトを取ろうと思って投げてました」。160キロ台は前回京セラでの登板から3割減の14球。相手打線の積極性も利用しつつゴロを引き出しながら、また違った趣の主役ぶりを見せた。

それでも決して省エネには感じさせない、真っ向から投げ込んだ7回86球。「まだ長いので。いい投球を続けられるように」。シーズンは4分の1が終わったばかり。映画のような1年へ-。まずは4位に浮上させ、ここからもっと面白くする。【金子真仁】

▽ロッテ・レアード(8回、2試合連続の4号ソロは貴重な追加点)「佐藤(都)がスクイズを決めたし、1点でも多くという気持ちだったよ。すしネタ? ん~、イカだな」

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