ああ、大阪タイガース4連敗-。阪神は今季最長となる5時間3分の激闘の末に敗れ、借金14となった。延長12回に中野拓夢内野手(25)の失策から、ラウル・アルカンタラ投手(29)が踏ん張れずに4失点。3失点以下は21試合連続で止まった。この日は大阪タイガースの復刻ユニホームで伝統の一戦を迎えたが、今季着用した試合は4連敗となった。

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大阪タイガースのユニホームを着たナインに徒労感がにじんだ。今季最長5時間3分のロングゲーム。延長12回。最終打者の熊谷が空振り三振に倒れると、午後11時を過ぎてもスタンドに残った観客からはため息が漏れた。土壇場の9回2死から大山の2ランで息を吹き返したが、最後は投手陣が崩れて敗戦。延長戦は今季6度目だが、これで0勝5敗1分け。是が非でも勝ちたかった…。そう問われた矢野監督は「うん、もちろん」と、力なくうなずいた。

鉄壁を誇っていた投手陣にほころびが出た。2-2で迎えた延長12回。7番手アルカンタラが誤算だった。遊撃中野の悪送球で先頭中山の出塁を許すと、死球、右前打で無死満塁。立岡に致命的な勝ち越し右前打を許した。抜群の安定感を誇っていた右腕が13試合ぶりの失点。代

わった左腕渡辺も、代打中田に中前へ2点適時打を浴びた。21試合連続で3失点以内と奮闘してきた投手陣が、踏ん張りきれず。ベンチ入り9投手をつぎ込む総力戦も実らなかった。

歴史を紡いできた先人たちにも申し訳が立たない。巨人との共同プロジェクトで両軍が1リーグ初年度の復刻ユニホームを着用した。阪神は胸に「OSAKA」と書かれた大阪タイガース時代のグレーのデザイン。今季2度目の試みだが、4月1日からのカードでは3連敗。これで今季は4戦全敗となった。首位ヤクルトも敗れたため、最短の自力V消滅は1日伸びて22日になった。

矢野監督は今シーズン何度も口にしていた言葉を繰り返した。「決めるところで点が取れない。流れ的には変わっていない。今出ているメンバーがやっぱり、まず状態がみんな上がってくるっていうことが必要なことかなと思う」。終わってみれば大山の2ランによる2得点のみ。チャンスはあった。だからこそ悔しさが残る。【桝井聡】

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