侍ジャパンの監督を務める日本ハム栗山英樹プロフェッサー(61)の元に、栗の苗木100本が届いた。贈り主は、ドラマ「北の国から」で知られる脚本家の倉本聰氏(87)。富良野市に住みながら、脚本家や俳優養成の「富良野自然塾」を主宰している。「道民として彼に感謝したい。僕が個人的にささげる功労賞です」とプレゼントされた。

今年2月ごろ、倉本氏から着信があった。「お疲れさんね。何も出来ないけど、栗の樹100本植えるところある?」。10年目のシーズンを終えて日本ハムの監督を退任し、新たな役職で動き始めたタイミングだった。「本当に、監督やっていて良かった~って」と栗山プロフェッサー。植樹場所を確保するため、生活拠点を置く北海道・栗山町の「栗の樹ファーム」の林を「ボロボロになりながら」切り開いた。

日本ハム監督1年目を終えた12年オフ、念願かなって対面を果たした。ともに若い人間を育てる立場として、意気投合。交友を深めていく中で、栗山プロフェッサーにとっては本音で話を聞ける数少ない存在だという。「『北の国から』がなければ、ここ(栗山町)に来ていない。『師匠』みたいな形で、ずっと前を走ってもらった。とにかく付いていって、少しでも近づいていくしかない」。

この日は2人でスコップを使って土を掘り、1本の苗木を植えた。栗山プロフェッサーが水をやり、倉本氏がスコップで土を押さえて苗木を支えた。栗山プロフェッサーは「冬場とかさ、この辺って動物が食べるものないから、若い木の芽とか食べちゃう。みんな枯れちゃう。それを全部守るの、相当命懸けよ。今まで植えたものも大事ですけど、本当に大切に次の世代に、必ず残す」と約束した。

細く、か弱い栗の苗木は、まだ3歳。栗山プロフェッサーの大きな愛情を土台に、害獣に負けず、越冬を経て大きくなった姿を、また必ず見に来たい。