青学大、中大、日大の3校三つどもえの最下位決定戦は、既に1敗していた中大が青学大に打ち勝った。これで3チームが1勝1敗で並び、リーグ順位決定戦は再度6月1日から行われることになった。ここでも決着がつかなかった場合は、<1>総失点<2>得失点率<3>チーム自責点率<4>チーム打率<5>抽選(コイントス)で順位を決定する。

勝利が決まった瞬間、主将の北村恵吾内野手(4年=近江)は、守っていた一塁で「ヨッシャー」と大きな声で叫びガッツポーズを見せた。「絶対勝つという強い気持ちで試合に臨みました」と胸を張った。

北村の一打が勝利を決定づけた。1点先制されて迎えた2回。5-1と逆転に成功し、なお2死三塁で打席に入った北村は「後ろには森下がいる。つなごうと思った」と、内寄りの真っすぐを振り切り、レフトスタンドへ2ラン。この回、一挙7点を挙げ試合をひっくり返した。

どんな時も、強い主将でいたい-。北村の熱い思いが、勝利へ後押しした。前日、日大に敗戦した直後、ベンチでがっくりと肩を落とした。「初めてみんなの前で弱い姿を見せてしまった。少し心が折れてしまったんです」。その後、スタンド前へあいさつに行くと、ベンチ外の選手や、応援に来ていたOBの方々の声援が耳に届いた。「顔を上げて頑張れ」「明日も応援に来るからな」。たくさんの笑顔を見て、我に返った。「キャプテンの自分が下を向いていたらいけないんだ…」。顔を上げ、ひと息ついて気持ちを切り替えると、チームメートに声を張り上げた。「なんとしても明日は勝って、絶対、来週のプレーオフにもう1回持っていこう!」。主将の思いをチームメートの心に届けた。「強い気持ちを1人1人に持たせることができた。その結果、こういう接戦をものにできたと思う」。北村の顔に、やっと笑顔が戻った。

まだ戦いは続く。「この1勝をさらなる励みにして、必ず2連勝して、自分たちの手で1部残留を手にしたいと思います」。中大は、北村の強いキャプテンシーを最大の武器に、1部残留へ力強く突き進む。【保坂淑子】

◆東都大学野球1部リーグ順位決定戦(UDトラックス上尾スタジアム)

・6月1日 青学大ー日大

・6月2日 中大ー日大

・6月3日 青学大ー中大

※いずれも午前10時試合開始

※2部は東洋大が優勝。1部2部入れ替え戦は6月20日から行われる。