阪神青柳晃洋投手(28)が8回2/3を8安打2失点(自責0)、自己最多133球を投げリーグトップに並ぶ5勝目を挙げた。

9回は味方の失策から2失点し途中降板。今季2度目の完封と4度目の完投を逃し、ヒーローインタビューで「完投したかった。むちゃくちゃ悔しい」と苦笑いした。

ZOZOマリンに吹き荒れる風の抵抗を受けながらブレないツーシーム、スライダーを低めに丁寧に投げてアウトを量産した。四球と安打で招いた8回無死一、二塁では、荻野をツーシームで遊飛。続く角中は124キロのシンカーで、マーティンにも魔球のシンカーで連続の空振り三振に仕留めた。

「シンカーが有効ですけど、ピンチで取りたいところで2つ取れたりとか、(坂本)誠志郎の配球かなと思います」

坂本のリードを感謝した一方、途中降板には「誰がエラーしようが僕の四球と同じ扱い。守備のミスというより2点目を取られてしまったところが自分の未熟さ」と自らを戒めた。防御率は1・13で再びリーグトップに返り咲いたエースが見据える場所は高い。

12球団で最も遅く20勝に到達。交流戦は3勝2敗で、5月は11勝11敗の勝率5割。「チームに勝たしてもらっている部分も多い。もっともっと自分で勝った試合を増やしていければ」。虎の大黒柱がさらにチームを浮上させる。【三宅ひとみ】

○…スタメンマスクの阪神坂本は、青柳との今季2度目のバッテリーで快投を導いた。「沈むボールがいつもより効果があるというのは聞いていたので、この風の中でシンカーがすごい生きた。相手もなかなか対応できなかったような感じ」。強風が吹く球場の特性をうまく利用した。バットでは二塁打2本で4月2日巨人戦以来、56日ぶりのマルチ安打。攻守で存在感を示した。

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