日本ハムは広島1回戦(マツダスタジアム)で今季9度目の0封負けを喫した。勝負を分けたのは「バント」だった。

0-0で迎えた8回無死二塁の守備。広島野間の犠打は、捕手の目の前に転がった。すかさずボールを拾い上げた今季初スタメンの石川亮は、三塁へ送球の構えを見せながら、止めた。三塁手の石井が前へ飛び出していた。石川亮は、あえなく一塁への送球を選択した。タッチプレーではあるが、正確な送球なら二塁走者はアウトのタイミング。ピンチを脱する好機を逃し、続く菊池涼に左翼へ決勝犠飛を運ばれた。

新庄剛志監督は「まあでも、石井君はサードの経験が(ほぼ)なくて」と割り切ったが、1つだけ注文した。

新庄監督 ああいうところはセンスでね。バントして(打球が)浮いて、これはキャッチャーが捕るって判断して(三塁ベースに)戻るセンスは欲しい。いい経験になってくれたら。

直後の9回の攻撃では、犠打を封じられた。無死一、二塁の場面で代打杉谷のバントは投手の前へ転がった。タッチのいらないフォースプレーではあるが、広島のクローザー栗林はきっちりと三塁で二塁走者を封殺。チャンスの勢いは、しぼんだ。新庄監督も「決めるところは、決めてほしかったね」と、振り返った。

成功と失敗を繰り返しながら成長中のチームは、5月を12勝12敗の勝率5割で終えた。「まあ明日ね。切り替えて。明日ちょっと、点取りゲームの予感はしますけどね」と、BIGBOSS。6月最初の試合は、野手陣の奮起に期待した。【木下大輔】

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