阪神の「8回の男」湯浅京己投手(22)が6日、“戦略的休養”で今季初めて出場選手登録を抹消された。

甲子園の投手指名練習を見守った金村投手コーチは「明らかに疲労はあった。僕としては1年間しっかり完走してほしい」と説明。チーム最多の23試合に登板している疲労を考慮したもので、故障ではなく、リフレッシュを目的とした再調整と説明した。

開幕から獅子奮迅の奮闘を続けてきた。守護神を期待された新助っ人のケラーが不振で開幕直後に2軍に降格し、一時代役に抜てき。4月中旬からは9回の岩崎につなぐセットアッパーに定着し、そこから16試合連続で無失点を継続中だ。防御率は圧巻の0・82で、16ホールドはリーグトップタイ。人気も急上昇し、この日発表された球宴ファン投票の中間発表でも、中継ぎ部門でリーグトップを独走している。

プロ4年目で、昨季まで1軍戦の登板はわずか3試合。金村コーチは「実質1年目みたいなもの。本人は『投げたい』と言っているけど、いろんな要素を含めた上で、ブレーキかけてあげたい」と話した。リーグ戦が再開する17日のDeNA戦(甲子園)で1軍復帰する見込み。肩肘のリカバリーを経て、再び大車輪の奮闘が期待される。

交流戦ラスト1週間は「8回」の男が不在になるが、同コーチは「今は(他の投手で)補える自信があるので」と層の厚いブルペン陣に胸を張る。アルカンタラ、藤浪、岩貞、加治屋らが、打順や場面に応じて代役を務めるもよう。2軍で再調整してきたケラーも状態を上げて再昇格の見込みだ。「湯浅抜き」のリリーフ陣で、交流戦初Vをつかみにいく。【古財稜明】