上武大が土壇場の9回表に逆転し、2年連続の4強入りを果たした。

0-3で迎えた9回表。無死二、三塁で打席には河野椋斗外野手(4年=尾道)。谷口英規監督(52)に「人生最後の打席だと思って打て」と送り出されると、「ここは開き直って、得意の真っすぐをフルスイングしてやろうと思った」と狙い通りの球を振り抜き、右越え2点適時打。この一打で、打線は一気に活気づく。犠打で送り、1死三塁から山下晃之介内野手(2年=文徳)がたたきつけた打球は一塁失策を誘い、その間に三塁走者が生還。その後、2連打と死球で2死満塁とすると、2四死球で2点を押し出しで奪い、この回一挙5点を挙げ逆転に成功した。

投げては7回途中から登板したリリーフエースの紫藤大輝投手(3年=東海大相模)がピシャリと抑え、勝利に導いた。

緊張したら感謝しろー。土壇場で力を発揮できたのは、谷口英規監督(52)の指導だった。9回、2点適時打を打った河野は「打席に立つ前、応援に来てくれているメンバー外の選手がいるスタンドを見ました。いつも支えてくれているみんなのために。ふがいない試合はできないと思いました」。大きく深呼吸をして打席に入り、「打ってやる」と気持ちを整え、バットを振った。

グラウンドで戦う選手、スタンドで声援を送る選手。部員190人、一丸で勝ち取った勝利。「地方大学が、この舞台に来られるということは、いろいろな人に感謝しないといけない。(勝利で)勢いが出ますね」と谷口監督。上武大が目指す感謝の野球で、頂点を目指す。

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