楽天岸孝之投手(37)がプロ野球19人目の12球団勝利を達成した。広島打線を7回6安打無失点に抑えた。

早いカウントから打ってくる相手打線に対し、チェンジアップ、カーブを打たせて取った。と思えば、6回は先頭の野間に対し、外に真っすぐ3つで見逃し三振。1度も振らせなかった。捕手炭谷との息もぴったりだった。西武時代の08年から広島戦は11試合に投げて0勝8敗と1度も勝てていなかったが、文句なしの内容で、ついに勝利した。

登板前、広島打線の印象を問われ「どこのチームだから、どうというのはないです。足が速い選手、小技がある選手、1発がある選手。そういうふうに全体的にどうか、と考えている」と答えた。広島に勝てていなかったのは当然、分かっていたはず。だが、そのことを意識するのではなく、いかに9人並んだ敵を抑えるかに集中した。そのためには「無駄な四球やミスを減らしていく」とシンプルに考えた。そのとおり、6回までは1つも四球を与えずにテンポよく打ち取った。

チームは2連勝で4カードぶり勝ち越し。苦戦した交流戦も巨人との1カードを残すだけ。リーグ戦再開前に、再び上昇気流へ。岸が導いた。

▼楽天岸が広島から初勝利を挙げ、現12球団からすべて白星をマークした。セ、パ12球団となった58年以降、全球団勝利は19人目。05年の交流戦開始後では、近鉄を加えた13球団勝利の工藤公康、杉内俊哉、寺原隼人を含め16人目の達成になる。岸は西武時代の08年から広島戦に投げているが、このカードは過去11試合で0勝8敗。苦手の広島にようやく勝って達成した。

▽楽天石井GM兼監督(7回2死満塁の場面に)「あそこは岸に任せたいなというのがあったんで、代えるつもりはなかった。今日は真っすぐの質が良かった」

楽天西川(4回に5月6日オリックス戦以来の適時打)「『1カ月何しとったんや?』と、しんどい気持ちはありましたが、今もしんどいです。まだ納得する打席はないですけど、1球でも納得できるスイングだったり増やしていければと思います」

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