佛教大(京滋)が息詰まる投手戦の末に完敗した。0-0のまま終盤へ。7回1死走者なし。6回まで無失点と好投していた先発山本奨人投手(3年=智弁学園)がつかまった。島村大樹内野手(3年=大宮東)にスライダーを打たれ、右翼席に被弾。マウンドでぼうぜんと立ち尽くした。

山本が「2ストライクから。もう少し慎重に、様子を見るではないけど、大切に投げるのは課題です」と話せば、田原完行監督(62)は「終盤のホームランは致し方ないとしても、その後が痛かった。継投の失敗に尽きる。攻撃陣は上武さんの投手陣がなかなかいい投手で崩すことができなかった。攻撃においても完敗。(好調の山本は)予想外、想像をまったくしていなかった。昨年の神宮大会も途中から投げさせた。彼の真っすぐ、変化球の質も含めて。体重移動をしっかりすればコントロールの精度も上がってくる」と振り返った。

プロ注目の木村光投手(4年=奈良大付)も救援で食い止められなかった。8回は2死満塁で島村に外角速球をとらえられ、左中間に走者一掃の適時三塁打を浴びた。重すぎる3点を失い、勝負が決まった。

流れをつかめなかった。7回は1死二塁の先制機を築いた。だが、山守晴喜内野手(4年=東邦)が二直に倒れ、飛び出した二塁走者も戻れず。痛恨のダブルプレーになってしまった。プロ注目で相手先発の加藤泰靖投手(4年=志学館)の球威に押され、得点できなかった。終盤は横手投げ右腕、左腕の継投で目先を変えられ、対応できず。終盤までロースコアで健闘したが、及ばなかった。

主将の田中颯翔内野手(4年=天理)が9日の準々決勝明大戦の守備中に交錯して左肩を負傷。脱臼で、この日は欠場した。打撃好調の主力を欠いたが最善を尽くした。佛教大が頂点に立てば京滋大学野球連盟代表では史上初の優勝だった。関西勢のVも06年大体大(阪神)以来、16年ぶりだった。すべて届かず、4強で姿を消した。