秋田出身の日本ハム吉田輝星投手(21)が、地元で開催される21日楽天戦(秋田・こまちスタジアム)で先発することが決まった。新庄剛志監督(50)が明らかにした。今季は主に中継ぎで好成績を残しているが、吉田本人は先発希望を公言している。BIGBOSSは「ラストという気持ちで、どれだけ投げられるか」と期待。故郷凱旋(がいせん)で、ステップアップのチャンスをつかめるか。

    ◇    ◇    ◇

吉田が、プロ入り後、初めて、故郷の先発マウンドに上がることが決まった。新庄監督が「ラストチャンス、先発秋田」と、21日楽天戦での先発を明言した。今季2度目の先発となった5日阪神戦(甲子園)では、3回7安打4失点でノックアウトされただけに「ラストという気持ちで、どれだけ本人が投げられるかっていう“気持ち”のテストをしたい」と、リベンジ投球を期待した。

今季は中継ぎで20試合に登板し防御率2.63と、まずまずの成績を残しているが、先発に限れば2試合で計7回11安打7失点、防御率は9.00と、5回を投げきったことがない。BIGBOSSは今季初黒星を喫した阪神戦を振り返り「悪いボールじゃなかったんですけどね」としながらも「あの感じで先発はダメでしょ。秋田で5回投げてくれたら、また次もある」。段階的にエースとしての育成を目指す武田投手コーチは「先発で継続して使うことは考えていない」と慎重だが、首脳陣のハートをつかむ投球が出来れば、再び先発機会をつかめる可能性はありそうだ。

今季の日程が発表された1月時点で、しっかり地元開催をチェックしていた吉田は「1、2月くらいに『早くチケット取って下さい』と球団広報にお願いした。そのころには、しっかりストレートを仕上げたい」と楽しみにしていた。武田コーチは「(吉田の)プレゼンがすごいんですよ。投げたいということは、ずっと聞いていた」と苦笑いも「意気に感じてやってくれると思います」と、願いをかなえた吉田の爆発力を楽しみにしている。

高3だった4年前の夏、金足農のエースとして秋田勢を103年ぶりの甲子園大会決勝に導いた“カナノウ旋風”の主役が、再び故郷秋田を熱くする。【中島宙恵】

【関連記事】日本ハムニュース一覧