神話を継続することはできなかった。広島はリーグ戦再開初戦のヤクルト7回戦(神宮)で逆転負け。今季6度目の3連敗を喫した。先発の大瀬良大地投手(31)が、昨年まで1度も負けていなかった神宮で17戦目にして初黒星。この日31歳の誕生日を迎えた右腕は勝利で飾れなかった。首位ヤクルトとは11.5ゲーム差に広がった。4位阪神は1差に迫る。18日にも今季初めてBクラスに転落する危機を迎えた。

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神話も好数字も今の広島に、ほほ笑まなかった。試合前で大瀬良は神宮16戦を8勝無敗。さらにこの日が31歳の誕生日。チームは交流戦明けのリーグ戦、過去10年で7勝2敗(20年は交流戦開催なし)。数々の良データをひっさげて敵地に乗り込んだが、5連勝中のヤクルトの牙城は崩せなかった。

先発大瀬良をはじめ、守備から流れをつくれなかった。1点先制した直後の3回。無死一塁で投手サイスニードの打席。バスターで三遊間をつかれると、遊撃小園が中途半端なバウンドの悪送球でピンチを広げた(記録は安打)。無死二、三塁となり塩見の中越え適時二塁打で同点。1死は奪ったが、山田の左翼線2点適時二塁打で勝ち越しを許した。

1-3の4回には1死一、三塁から再びサイスニード。バスターエンドランで左前に適時打を運ばれた。大瀬良は4失点で降板となり、3戦連続5回以下でマウンドを降りる悔しい形となった。「投手相手に2本打たれたのも、抑えないといけない相手だった。僕が試合を崩してしまった。非常に申し訳ない」と言葉をつむいだ。

2軍調整も実らなかった。交流戦2戦続けて5回KOで、5日に出場選手登録を抹消された。先発機会を1度飛ばし、1軍マウンドに戻ってきたが、今季4敗目。佐々岡監督は「次の登板でしっかりとしたものを見せてほしい」と次回の1軍登板を見据えた。

首位ヤクルトとの差は11.5差に広がった。上は遠い。一方で後ろには1差で4位阪神が迫る。早ければ18日にも今季初めてBクラスに転落する可能性が出てきた。指揮官は「最後見せてくれたものを明日につなげたい」と9回無死満塁をつくり1点奪った粘りの継承を願った。重い空気を変えられるか。苦しい試合が続いている。【前山慎治】

○…今季初めて2番に起用された宇草は適時打を含む今季初3安打で役割を果たした。3回1死一、三塁から右前へ先制適時打。6回先頭では右前打を放ち、8回2死一塁で中前打。「厳しい立場。試合に出させてもらっていることを意気に感じて“今”に集中して取り組みたい」。死球を含め、全4打席で出塁。今季9度目のスタメンで2番として機能した。

○…菊池涼が今季初めて3番に入ったが、つながらなかった。下半身のコンディション不良で離脱中の西川に代わり3番に。3回1死一、二塁では遊撃併殺打。6回無死一塁でも三塁併殺打を放った。朝山打撃コーチは「3番西川が抜けて、固定できていない。当てはまるのは菊池かなと。中軸が(ゲームごとに)変わるのはよろしくない」と18日以降も「3番菊池涼」の方針を示した。

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