巨人原辰徳監督(63)が「手駒」を駆使して反攻態勢を整える。28日の中日戦(山形)に向け、27日に将棋駒の産地として有名な「将棋のまち」天童市に入った。原監督は小学生時代に父・貢氏から将棋を学んで以来の将棋愛好家。「天童の駒と将棋盤、あれをおやじに買ってもらったのは覚えてるね」と懐かしみ「人生の縮図というか。動かし方というかね」と将棋と野球の共通点を思い描いた。

相手の心理を読み、先の先の一手に思考を巡らす-。自力Vが消滅した今こそ、11ゲーム先を走るヤクルトとの距離を詰めるべく、陣形を整える必要がある。

25日のヤクルト戦では打線改造の一手を打った。2試合連続で1番起用の増田陸は計10打数4安打1本塁打と香車のような思い切りの良さを発揮。原監督は「打線は水物」と言いつつ「いいものが出たことに関しては続けていくということ」。2戦29得点と本来の攻撃力を取り戻しつつある。

あとは防御だが、アクシデントに見舞われた。28日に先発陣立て直しへ先陣を切る予定のメルセデスが発熱で抹消。即座に昨季11勝の高橋にスイッチした。この日の移動では、大雨の影響で山形新幹線が目的地の1駅手前で足止め。だが指揮官は慌てることなく、笑顔でタクシー移動に切り替えた。勝負師の感性を研ぎ澄ませた指し手で、囲いを整えていく。【浜本卓也】

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