阪神佐藤輝明内野手(23)が、球宴2年連続ファン投票セ・リーグ外野手部門トップ選出に苦手床田打ちで応えた。

2点を追う4回2死一塁。目の前で3番近本が球団最長タイの30試合連続安打を放ち球場がざわめく中、一塁線へ強烈な打球を放ったがわずかにファウル。「ええ-っ! 」と、残念がったが、即気持ちを切り替え、直後の内角高め148キロ直球を詰まりながら右前へ力で運んだ。

これが今季床田から12打席目で初めて打った安打となり、一、三塁にチャンスを広げ、この回の一挙3点の逆転劇につなげた。天候不良のため中止となった前日5日に「床田投手にはいつもやられている。何とか頑張る」と話していた通り、スライド登板してきた左腕を打った。チームも床田には昨年から5連敗中だったがストップ。今季広島相手にようやく1勝し、3連勝と勢いがついてきた。

球宴で対戦したい相手にロッテ佐々木朗の名前を挙げた。5月27日の交流戦では3打数無安打2三振だった。「全然バットに当たらなかった。全力で振りたい。三振ばかりだったので。しっかり速い球をはじき返せたら」と話し、どこまではじき返すかを問われると「スタンドまで。はい。頑張ります」と笑って豪快なアーチを狙うことを誓った。

昨年の球宴第2戦ではオリックス宮城から本塁打を放ち敢闘賞を獲得。「(本塁打を)2本くらい打てばMVPも取れるかな」と、初のMVPで表彰台の真ん中に立つつもりだ。今季は飛距離より確実性を求め、ここまでは81試合で14本塁打だが、力勝負の球宴では「どうせなら本塁打を狙いたい」と、全打席アーチ狙いでいく。「普段は関わりのない選手たちと接する機会があるので楽しみ。聞くチャンスがあればどんどん聞いてみたい」と、学びの場としても多くの収穫を得るつもりだ。【石橋隆雄】

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