プロ野球選手会は26日、オンラインで臨時大会を開き、出場機会に恵まれない選手の移籍を活性化する「現役ドラフト」について、今オフ開催へ向け進めていくことを決議した。日本野球機構(NPB)と事務折衝を続けているが、NPB側の提示案では、各球団2人以上の対象選手を選び、全球団で選手の入れ替えが起きる制度となっている。

森事務局長は「(対象は)球団が任意で選ぶので、どの程度の選手が出てくるか分からない。選手会が望むところではないのではないか」という懸念は示しつつも「細部はもう少し話し合わないといけないが、必要とする選手はいる。進めていくことで選手の了解を得た」とした。今後もNPBと交渉を続けるが、今オフ導入へ1歩、近づいた。

保留制度改革も議論された。FA制度については(1)国内外一律6シーズンでの取得(2)補償制度の撤廃(3)登録日数カウント方法の追加を求めていくことを決議した。より多くの選手がFA権を行使しやすい環境を目指し、現制度の改革を求める。広島の会沢翼会長(34)は「これからのプロ野球をどうしていくかということが一番」と強調した。

ただ、FA制度改革を巡る球団と選手会の隔たりは大きい。NPB選手関係委員会委員長の広島鈴木球団本部長は「野球界はコロナもあり大変な時期。権利を主張する時期なのか。球団が、どれだけ赤字に耐えているのか、考えてもらいたい」と反論。特例などで、コロナに感染してもFA日数に加算してきた点を指摘した。【古川真弥】