楽天が7回に一挙6点を奪う猛攻で逆転勝利を収め、3カードぶりの勝ち越しを決めた。3点を追う展開で、先頭の岡島が1号ソロで起爆剤となると、島内の2点適時三塁打で同点、さらに辰己が勝ち越し打を放ち、打者一巡する6安打6得点のビッグイニングをつくった。隔離中の石井GM兼監督に代わり、真喜志監督代行のもと、チームは2連勝で首位西武と1・5ゲーム差。2日からのロッテ3連戦に勢いをつけた。

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呼び水となった1発は、左中間へ吸い込まれた。7回先頭の岡島は、狙っていた。カウント2-1で、高めの直球をとらえた。「手応えはけっこうよかったと思います」と、2点差に迫るアーチが起爆剤となって、打線に火がついた。代打・田中貴が振り逃げで出塁し、小深田の右前打で一、二塁としたチャンス。4番島内が、右翼線2点適時三塁打で同点に追い付いた。

日本ハム宮西からの一打に、島内は「いつも抑えられているピッチャーなので、なんとか四球でもいいくらい気持ちでついていこうと思った」と食らい付いた。次打者・鈴木が四球で粘り、相手投手が代わっても勢いは止まらなかった。辰己の決勝打で逆転に成功し、打者一巡の猛攻は6安打6得点。8回にも2点を奪い12安打10得点と、最後は打線が圧倒した。

後半戦最初の3連戦。球場の外では「夏スタ! ろっけんまつり」を開催した。来場者全員にグリーンユニホームが配られ、連日2万人を超える観客がスタンドを埋め尽くした。その光景に、同点打で2試合連続お立ち台に立った島内は「みんなの気持ちが1つになることが大事だと思うので頑張りたいと思います」と、呼び掛けた。

チームにとっては、石井GM兼監督が新型コロナ陽性者となり、真喜志ヘッドコーチが代行で指揮を執る緊急事態での2連勝。2試合で23安打17得点と爆発し、真喜志ヘッドは「いつも言うように、最後まで諦めず粘り強くつながった攻撃ができたのかなと思います」。首位西武と1・5ゲーム差。混戦模様を演出して、勝負の8月に入っていく。【栗田成芳】