勝ち頭が…。広島森下暢仁投手(24)がDeNA16回戦(横浜)に先発し、4回5失点で6敗目を喫した。チーム最多タイの8勝右腕は長いイニングを期待されて、今季初の火曜日、週頭のマウンドに立ったが、今季2番目に短いKOとなった。自身の連勝は4で止まり、チームも後半戦4連敗で今季2度目の5連敗。7月14日以来の4位に転落した。

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3万超の観客が訪れた横浜スタジアム。勝利の余韻に浸る華やかなDeNAの演出が、5連敗を喫した広島ナインの傷心にしみる。

先発森下は大きな期待を背負って登板した。今季19試合目で、後半戦では初めての先発。佐々岡監督は従来の土曜日ではなく、火曜日を右腕に託した。DeNAには今季4戦3勝。20年からは6連勝中と好相性を誇る。さらに試合前でリーグ最多122回を投じており、ブルペン陣の負担を軽減する「イニングイーター」として長いイニングを期待されていた。しかし終わってみれば今季2番目に短い4回で降板。5失点で6敗目を喫した。

「見ての通り。本当に反省。カード頭を投げさせてもらって、取らないといけない。長いイニングを投げないといけない。そういうところをしっかりやりたい」

何度も反省の言葉を重ね、勝利に導けなかった投球を悔いた。

勝ち越し点を許したのは同点の3回。3者連続適時打を含む5連打などで3失点し、これが決勝点となった。直前の全力疾走が響いたかもしれない。3回の攻撃は1死から右前打で出塁。2死一塁となり、菊池涼の右中間への二塁打で一塁から本塁へ走った。結果はクロスプレーで憤死。攻守交代となり、直後の投球で失点が重なった。「1点欲しかったし、セーフだったらまた違った形になったと思う。特に気にはしていない」と右腕は影響は否定。佐々岡監督も「これは野球。影響とか言ってはダメだと思う。セ・リーグは9番目の打者としてあるので」と言い訳にさせなかった。

チームは今季2度目の5連敗で7月14日以来の4位に後退した。後半戦は4戦全敗。Aクラス最短復帰へ、まずは1勝が絶対条件だ。【前山慎治】

○…菊池涼が2戦連発となる先制の5号ソロを放った。1回1死、カウント2ボールから先発今永の直球を左翼席へ。「たまたま入ってくれました。先制点になって良かったです」。6月24日の同戦(横浜)でも今永から左翼へ3号2ランを放った。5発中3発が横浜でのDeNA戦と、得意の球場で結果を出した。

○…秋山が2戦連続適時打を含むマルチ安打を放った。4点差を追った5回2死三塁。カウント3-1と有利な場面で中前適時打。「今永君の印象がライオンズ時代から良くなかった。カウントが良くなったので振りにいった結果、安打になって良かった」。1回1死でも中前打を放っており、出場は17試合ながら打率を一時の1割台前半から3割2厘まで上げてきた。

○…1軍昇格した末包が代打でプロ初三塁打を放った。1-5の5回先頭で5月18日以来の打席へ。今永の2球目を左翼フェンス直撃の三塁打とし、その後秋山の中前適時打で生還した。「こすって上がりすぎた。しっかり走って打って良かったと思う。久しぶりの1軍の試合で緊張せずにフルスイングできた」。横浜では開幕戦で猛打賞を放つなど今季12打数6安打と相性が良い。

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