まだ通過点ヤ!! ヤクルト村上宗隆内野手(22)が、1試合2発となる44号2ランを放ち、04年岩村の球団日本人最多本塁打に並んだ。3回1死、中日小笠原からバックスリーンに43号ソロを放つと、7回2死二塁、再び小笠原から右翼席上段にアーチをかけた。1試合複数本塁打は今季10度目で、史上最年少となるNPB通算150本塁打まで、あと2本に接近。4打数3安打で打率を3割2分9厘まで引き上げた。

   ◇   ◇   ◇

中堅122メートル、両翼100メートルに高いフェンスがそびえるバンテリンドームも、「村神様」には関係なかった。村上は3回1死、5球目の131キロスライダーをバックスクリーンへ。17日阪神戦以来の1発に「しっかり押し込むことが出来ました」。7回2死二塁には内角140キロ直球を右翼席中段へ。チームの連敗を2で止める豪快な2発に「どちらもすごくいいホームランでしたし、ホームランになるというのは打席の中でもいいスイングが出来ているという証拠」と、お立ち台で納得の表情を見せた。

次々とクリアする記録も通過点に過ぎない。球団日本人最多本塁打について話題が及ぶと「並べたというのはすごく光栄ですけど、ヤクルトには60本打った外国人選手(バレンティン)もいますし。まだまだ僕も上を目指して頑張りたい」と上を見据えた。109試合で43発は、シーズン換算58本ペース。王貞治の55本を超え、13年バレンティンの日本記録60本も視界に入る。36本塁打を放ち新人王を獲得した19年まで、ともにプレーした大砲について「(実質一緒に)1年しかやってないんですけど、すごく仲良くさせてもらいました。ホームランバッターとして、すごくリスペクトしてました」と振り返る。

9回1死の第5打席も根尾から右前打。今季バンテリンドームでは9試合で34打数17安打の打率5割、7本塁打、14打点と驚異的な成績で、7本塁打はビジター選手では02年松井(巨人)の8本に次ぐ数字。12球団で屈指の広さも意識せず、自分の打撃を崩さずに長打を量産する。

「狙える物は狙いたいと思います」と令和初の「3冠王」が現実味を帯びる中でも、「まずはチームの優勝が第一なので。とにかく優勝出来るように頑張ります」とキッパリ。あくまでフォア・ザ・チームの精神で、記録を塗り替えていく。【鈴木正章】

▼村上が43、44号を放った。チーム109試合目で44号は、55本打った64年王(巨人)に並ぶ6番目のペースだ。中日戦は今季11本目となったが、内訳は神宮球場4本、バンテリンドーム7本。広いバンテリンドームでシーズン7本以上打ったビジター選手は00年松井(巨人)8本、02年ラミレス(ヤクルト)に次いで3人目になる。これで1試合2本以上のマルチ本塁打は今季10度目。マルチ本塁打のシーズン最多回数は85年バース(阪神)ら3人の11度で、10度以上は6人目。村上がマルチ本塁打のシーズン最多記録へ王手をかけた。

【スコア】プロ野球スコア速報>>