追い上げ実らず。広島はDeNA相手に最大4点差を追いつく執念を見せたがあと一歩及ばず3連敗を喫した。コロナ陽性判定を受けた主力の離脱が大きく響いた。打線は経験者が若手をカバーする働きを見せたが、中継ぎは代役セットアッパー松本がイニングまたぎの8回、伊藤に決勝打を浴びた。シーズン終盤、Aクラス確保へ苦境を乗り越えなければいけない。

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押せ押せの敵地の流れを変えることはできた。1-5で迎えた終盤。流れは完全にDeNAにあった。広島打線は7回1死一、二塁から会沢、松山の連続長短打で2点を返すと、2死一、三塁から堂林も続いた。1点差の8回には4番マクブルームが7月16日巨人戦以来の13号同点ソロを左中間席に放り込んだ。勝ちパターンの伊勢、エスコバーをベンチ外としたDeNA中継ぎ陣を攻め立てた。勝ち越し、勝利することはできなかったものの、6戦ぶりマルチ安打の4番は「打線としてしっかりと点を取れた。相手の投手はなかなかしぶとい投手で、厳しい中で5点が取れたのは、明日につながると思う」と前を向いた。

コロナ禍の影響もあり、チーム状況は厳しい。同点の8回はイニングまたぎとなった松本が2死一、三塁から代打伊藤に決勝打を浴びた。セットアッパー矢崎がコロナ陽性判定で離脱。ターリーは前日19日の試合で打球を脚に受けていた。この日、首脳陣の中で、栗林に次ぐ中継ぎと評価した新人右腕だった。

中継ぎだけでなく、先発も苦しい。1軍復帰後3試合目の先発となった遠藤は、5回5失点で降板。後半戦19試合で先発が6回以上投げた試合は計5度しかない。責任投球回を投げ切れなかった試合は12度を数える。大瀬良が2軍で再調整中で床田は負傷離脱で復帰時期は未定。コンディション不良で降格となったアンダーソンはコロナ陽性判定を受けた。

3連敗で借金は5に膨らみ、3位阪神に1.5ゲーム差を付けられた。野手陣もコロナ陽性による主力の離脱が響く。それでも後半戦初本塁打を含む2安打のマクブルームや会沢、松山ら経験者がカバーした。チームの窮地はそれぞれ補い合っていくしかない。監督代行を務める河田ヘッドコーチは「早く手を打たないと、連敗止めないといけないので、明日は何とか」と連敗ストップへ総力戦を誓った。【前原淳】

○…遠藤が5回5失点と試合をつくれなかった。前回13日巨人戦同様、課題の立ち上がりにつかまった。1点を先制した直後の1回。2死走者なしから佐野に右前打を許すと、牧、宮崎には2者連続本塁打を浴びた。2回以降は立ち直ったが、5回に再び2死から投手石田への四球をきっかけに3連打で2点を失った。「打たれた球は高かった。3試合連続でこういうふうなKOという形になった」。1軍復帰後3試合連続5回以下での降板に反省ばかりが口をついた。

▽広島松本(8回伊藤に決勝打を浴びて2敗目)「あそこをしっかり抑えて、相手の勢いを止めないといけなかった。チーム的にも勝ちがほしかったので。投げミスがこういう結果につながった。結果がすべて。しっかり反省しないといけない」

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