両取り宣言だ。広島森下暢仁投手(24)が23日ヤクルト19回戦(神宮)に向け、マツダスタジアムで調整した。

前回16日中日戦で16年ジョンソン以来となる2戦連続完封勝利を達成。球団記録がかかる登板は首位ヤクルトが相手。打撃3部門でトップの村上を擁する強力打線を相手に、個人記録とチームの勝利の両取りを狙う。

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強い日差しを浴びながら汗を流す森下の笑顔が輝いていた。球団初となる3戦連続完封勝利がかかる登板を翌日に控えても、いつもと変わらない。同行しなかった横浜で、チームは同一カード3連敗を喫した。上位争いから後退する中、巡ってきた登板機会は自身の記録もかかる。個人的な記録とともに、チーム状況を救う投球が求められる。

「(球団記録と)言われると意識はしますし、考えることはある。でも、準備はしっかりとしてきたので、長いイニングを投げられれば一番いいですし、ゼロを並べることが最高の形。チームもこういう状況なので、チームにとって、いい力になれればいいなと思います」

首位ヤクルトを前にしても、両取りを宣言した。梅雨時期に4連敗したが、暑さが増す夏場にギアを上げた。7月以降、7試合で5勝1敗、防御率2・17と安定感が光る。「(16日の)中日戦に関しては、結局ヒット9本を打たれていて、そこに長打がなかっただけかなと。その中でピンチのときに野手の方に守ってもらったりしながら、ゼロを並べられた」。結果だけに左右されず、開幕から常に反省と課題を持って調整を重ねてきた。

自身の結果とチームの状態がかみ合わない状況が続く。チームは後半戦7勝13敗とつまずき、3位阪神に2・5ゲーム差に離された。主戦の離脱が相次ぐ先発は、4試合続けて5回以下で降板と苦しい。「自分が(1週間の)スタートをやらせてもらって3試合。勢いをつければ、(24日先発九里)亜蓮さんもいい形でつないでくれる。そういう気持ちでやっています」。先発の柱としての自覚は十分。すでにキャリアハイ10勝を挙げ、自分越えが期待される。球団記録に近づけば、おのずとチームの勝利にも近づく。求めるのは、勝利という結果だ。【前原淳】

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