春の大分開催に続く地方開催で、福島で開幕。日大がサヨナラ勝ちで春季リーグ戦優勝の亜大に先勝した。1-2で迎えた9回裏、1死一、三塁から代打・菊地壮太内野手(3年=常総学院)の左前適時打で同点。なお1死一、三塁から高垣広大内野手(3年=山梨学院)が、内角の直球を左前へ運び、サヨナラ勝利を決めた。国学院大は武内夏暉投手(3年=八幡南)が青学大に完封勝利。中大は駒大に打ち勝った。

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福島パワーで日大が勝利した。福島出身の小濃塁外野手(3年=仙台育英)がチャンスをつくった。1-2で迎えた9回裏、しぶとく四球を選び逆転サヨナラにつなげた。小濃は「絶対にこの試合はつかみたかった。何としても出塁しようと思った」と力を込めた。

春は3校三つどもえの順位決定戦に臨み、5位に終わった。そこから、1点差ゲームを勝ちきるために基本を徹底した。ミーティングでは片岡昭吾監督(44)が試合を分析し、説明した。サヨナラ打の高垣は「この場面は低い強い打球を打つ」と状況判断し、結果につなげた。

前日、宿舎での夕食には福島牛のしゃぶしゃぶに梨と桃など、地元の名産品がズラリと並んだ。選手たちは食事で福島を堪能。温泉でゆっくり体を休め、初戦に備えた。片岡監督も「いつもと違う環境で気持ちも変わるんでしょう」と感謝した。高垣は「今季は優勝したいです」ときっぱり。勝利で福島に恩返しする。

○…国学院大が武内がエースとして堂々と開幕戦のマウンドに立った。制球良くコースに投げ分け、4安打で7奪三振。初回の1点を守り切り「緩急をつけながらピッチングを組み立てることができました」と胸を張った。今夏、トレーニング方法を見直した。ストレッチを取り入れ、地道に練習を重ねた。「今季はチームを引っ張る。その覚悟はあります」と言い切った。

○…中大・大栄陽斗投手(3年=仙台育英)が9回に登板し、3者凡退に抑えた。今春、期待されながらも右肘を痛め離脱。この日は最速147キロの直球とキレのあるスライダーで好投し「投げられてうれしい」と笑顔を見せた。この日が21歳の誕生日の右腕は福島県いわき市出身。「地元の皆さんに成長した姿を見せられました」。地元での復活登板を飾り、最高の誕生日になった。

○…初の福島開催で、球場には約9300人の観客が訪れた。開会式では春季リーグ戦で優勝した亜大・田中幹也主将(4年=東海大菅生)が「この厳しい時代だからこそ、野球という素晴らしいスポーツで夢と希望を与えていきたいと思います」と力強く選手宣誓。また「レッドブル・エアレースワールドチャンピオン」で中大OBの室屋義秀氏によるエアショーが行われ、開会式を盛り上げた。

▽青学大・松井大輔投手(2番手で3回2/3を投げ無失点) 1点も失点できない。割り切って攻めの投球をした。(敗戦も)自分の投球ができました。

▽亜大・生田勉監督(開幕戦を落とし) 浮足立っていた。もともと力のないチーム。ここから1戦1戦大事に戦い、勝ち点2を取るかです。

▽駒大・大倉孝一監督(3安打に抑えられて敗戦) 打てなかったのが一番ですね。明日に向け、できることを1つずつやって、粘ってやるしかない。