ソフトバンクが勢いに乗れない。楽天を相手に連勝を逃し、9月に入っての成績は3勝3敗の5分に。勝率差での首位をキープはしたが、混戦パ・リーグから一気に抜け出すきっかけがなかなかつかめない。

先発の石川柊太投手(30)が踏ん張りきれなかった。立ち上がりから球数を要し、持ち味の「テンポ」が生かせない。初回先頭の山崎に安打と盗塁を許しピンチを招くと、3番浅村の適時打であっさり先制された。以降も、4回以外は走者を背負う苦しい投球が続く。5回には味方の失策も絡んで1点を追加されると、6回には先頭の辰己を死球で出し、9番太田に適時打を浴び、嫌な形で痛い3点目を与えてしまった。

今季9敗目の石川は「自分の中では、粘り強く投げるという気持ちでした。それが中盤はできなかった」と悔しげな表情。藤本監督は「ランナー出してから石川もよく粘っていたんですけどね。粘りは見せてくれましたよね」と責めなかった。

この日は2位西武、3位オリックスがともに敗れたため西武と0ゲーム差、オリックスと1差は変わらなかった。歴史的な大混戦模様に藤本監督は「しびれますね。胃が痛いですね」と話していたが、苦しい状況は続きそうだ。残り21試合、一喜一憂はしていられない。指揮官は「明日ですね。明日しっかり勝って、勝ち越しを決めるということですね。全部勝つことは難しい」と潔く、気持ちを切り替えた。【山本大地】

○…中村晃が土壇場9回に1点差に詰め寄る5号2ランを放った。2死一塁から松井の148キロの直球を右翼テラス席に運び去った。「真っすぐを捉えることができました。いい投手なので、とにかくつなぐ意識とコンパクトにスイングすることを心掛けて打席に入った」。約1カ月ぶりのアーチも勝利に結びつけることはできなかったが、新型コロナ感染から復帰して初の2戦連続安打。調子を上げてきただけに「明日は勝てるようにしたい」と気を引き締めていた。

▽ソフトバンク・デスパイネ(6回の9号ソロに)「打ったのはスライダー。ビハインドの場面で、何とか流れを変えられるようにと打席に入ったよ」

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