元レッドソックスで、14年ぶりにENEOSに復帰した田沢純一投手(36)が練習試合で初登板を果たした。

3-0で迎えた7回。先発の関根智輝投手(24=慶大)に代わり、マウンドに上がると、静かに呼吸を整え投球を始めた。最初の打者は直球で右飛。2人目はスプリットで一ゴロ。3人目はスプリットを右前打に運ばれ2死一塁に。続く4人目の打者は直球で右飛に打ち取り無失点に抑えた。打者4人に対し9球を投げ、この日の最速は146キロだった。

米国、台湾、メキシコで経験を重ねた右腕も、古巣のマウンドに、緊張を隠せなかった。「初めてのマウンドだったので、緊張感を踏まえていえば、抑えてよかったかな、と思います。どの場所であれいい緊張感で投げるっていうことは、まだいいのかな、と思います」と安心した表情を見せた。

無失点に抑えたマウンドも、その内容に反省した。「ヒットを打たれたのも、コースにしっかりいっていたけど、少し落ちが甘かったというのが反省点。あとは初球のストライクはとれましたが、その後の直球のコース的には甘かったと思います」と、ベテランらしく分析し、次のマウンドを見据えた。

大久保秀昭監督(53)は「36歳ですが、見た感じは衰えているようには見えない。動けるうちは頑張って欲しい」と話し、まずはリリーフでの起用を明かし、「彼にとっても、モチベーションになってくれたらいい」と期待した。

再び動きだした田沢のアマチュア野球人生。「打たれても、ストライクで攻めていくのが僕のスタイル。どの場所にいっても1球1球一生懸命投げることは変わらない。しっかり準備をして勝っていきたい」。力強く、前へ踏み出した。