バイタルネット(新潟)はIMF BANDITS富山を4-0で破り、2大会連続8度目の日本選手権本大会(10月30日開幕、大阪)への出場を決めた。1番・吉浦大樹外野手(26)が4打数3安打、3打点と大暴れ。最優秀選手賞と最高打撃賞の大会個人2冠を手にしたリードオフマンが、チームを優勝に導いた。

無我夢中で突っ込んだ。3-0の9回表2死二塁。吉浦は1ボールからの2球目を強振。鋭い打球は飛びついた二塁手のミットに収まったが、全速力で一塁ベースを目指し、最後は土煙を上げながらヘッドスライディング。内野安打となる間に二塁走者が生還したことを確認するとガッツポーズで喜んだ。「気付いたら(頭から)行っていた。気持ちです」と勝利を決定づけた一打を笑顔で振り返った。

1番中堅で先発。3回表1死二塁では右中間に先制の適時二塁打。2-0の7回表1死二塁でも左前に適時打を放ち、チャンスを確実に生かした。4打数3安打で3打点の大活躍にも「ベンチからの声が力になった。全員でつかんだ勝利」と控えめだった。

ここまで打撃不振に陥ったが、トップの位置を確認したことで徐々に調子を取り戻した。今大会2試合で打率6割2分5厘(8打数5安打)として最高打撃賞を獲得し、最優秀選手賞との個人2冠に輝いた。「社会人になってからは(表彰は)初。さらによくしていきたい」。日本選手権本大会に向けては「1回リセットして、チーム内で競争しながら状態を上げていきたい」と話した。【小林忠】