今秋ドラフト候補の最速152キロ右腕、専大・菊地吏玖投手(4年=札幌大谷)が、粘りの投球で先勝した。

気温30度の中、苦しい投球だった。

「(暑さのせいか)最初の方なんかこうフワフワじゃないですけど、変だなって。それが後を引いた感じでした」。何度もマウンドでフォームを確認しながら投球した。「今日はフォームがリズムが合う時と合わない時があって。(フォームが)バラついてしまいました」

初回、2連打を浴び1失点。守備の乱れもあり、再三ピンチを招いたが、ドラフトの注目候補らしく、9球団15人のスカウトの前で器用な投球を見せつけた。直球にカットボールに、遅いカーブを交えながら打たせてとり、7安打7奪三振で2失点。チームは2-2で迎えた9回表に西村進之介外野手(3年=栄徳)の右越えソロ本塁打で勝ち越し、勝利した。

菊地は「(投球の)リズムが悪いと、野手も守りづらいですし攻撃にもつながってこない。エースなので、もっと守りやすく。攻撃しやすいピッチングをしなければならないと、今日改めて感じました」と反省を口にした。

斎藤正直監督(62)は「菊地はエースですからね。粘ってくれ、と思っていました」と話し、記者から交代する考えがあったかと問われると「全くないです」と笑顔でキッパリ。信頼の高さをうかがわせた。

カード1戦目を、エースらしく粘り強く勝利に導いた。菊地は「もっと修正力っていうのを高めていかないと、上のカテゴリーに行った時に活躍できないと思いました」と、プロの世界を見据えた。