日本選手最多56号本塁打を放ったヤクルト村上宗隆内野手(22)が、史上最年少の3冠王に輝いた。

4打数2安打の打率3割1分8厘でフィニッシュ。最後まで競った中日大島の打率3割1分4厘を上回った。日本選手歴代最多のシーズン56本塁打と、歴代11位タイの134打点はリーグ断トツ。2位以下を大きく引き離した。

3冠は同じ熊本出身の04年松中信彦(ダイエー=現ソフトバンク)以来、18年ぶり8人目(通算12度目)。令和では初。22歳での達成は1982年の落合博満(ロッテ)の28歳を塗り替える最年少記録になった。

村上は2日の阪神戦(甲子園)を欠場し、シーズン最終戦は2試合ぶりに「4番三塁」で先発。7回無死から第4打席で、右翼席へ56号本塁打を放った。DeNA入江の初球、内角高め151キロ直球をとらえ、メモリアルアーチをたたき込んだ。

3回1死一、二塁の第2打席で左前適時打を放ち「今日引退される3人(内川、坂口、嶋)に勝ちを届けられるように、勝てるように頑張ります」とコメント。4回表の守備では、引退試合だった坂口と内川が交代する際に、抱き合って涙を流した。

開幕前には「目標は、すべてタイトルを取れるなら取りたい。去年の成績より残すこと、さらにいい成績を残すことは絶対条件だと思う」と語っていた。有言実行の大記録となった。

 

◆過去の3冠王

38年秋 中島治康(巨人)

65年 野村克也(南海)

73年 王貞治(巨人)

74年 王貞治(巨人)

82年 落合博満(ロッテ)

85年 落合博満(ロッテ)

86年 落合博満(ロッテ)

84年 ブーマー(阪急)

85年 バース(阪神)

86年 バース(阪神)

04年 松中信彦(ダイエー)

 

◆村上宗隆(むらかみ・むねたか)2000年(平12)2月2日、熊本県生まれ。九州学院では1年夏に甲子園出場。高校通算52本塁打。17年ドラフト1位でヤクルトに入団し、捕手から内野手に転向。18年9月16日広島戦でプロ初打席本塁打。19年は36本塁打、96打点で新人王。20年に最高出塁率。21年は本塁打王を獲得し、史上最年少でMVPに輝いた。同年は東京五輪日本代表として金メダルに貢献。今年7月31日阪神戦からプロ野球初の5打席連続本塁打をマークした。188センチ、97キロ。右投げ左打ち。今季推定年俸2億2000万円。

○…歴史的1発で「1億円の家」もゲットした。球団トップスポンサーのオープンハウスが9月4日、神宮球場で56号以降の本塁打を対象エリアに放てば「特別ホームラン賞」として「好立地の東京の家」(上限金額税込み1億円)を贈呈すると発表。その後に対象をビジター球場まで拡大することになった。立地や間取りはシーズン終了後に村上と相談し、決定する。