夏の甲子園出場の日本文理・田中晴也投手(3年)はロッテから3位で指名された。

校舎7階大講義室。3年生部員とともに背筋を伸ばし、ネット中継を見詰めた。ロッテ3位のコールと同時にチームメートが歓声を上げる。田中は鈴木崇監督(42)とがっちりと握手をかわした。「この日を夢見て野球をやってきた。うれしい気持ちでいっぱいです」。7限目のホームルームでもクラスメートの話題は指名のことばかり。一日中“ドラフト”の4文字が頭から離れなかった。上位指名に「肩の力が抜けた」と笑みを浮かべた。

最速150キロの直球が武器。186センチ、92キロの恵まれた体格に詰まった将来性に全12球団が注目した。その中から引き当てたロッテには剛腕、佐々木朗希(20)がいる。「目標となる選手。(佐々木のように)スケールの大きな選手になりたい」。

高校通算20本塁打の二刀流だが「プロでは投手で」と決意している。鈴木監督も「上の世界でやろうという気持ちが強い。本当に期待したい」と激励する。「日の丸を背負って世界で活躍する選手になること」。次なる「夢」をかなえるための扉が開いた。【斎藤慎一郎】

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