11月の侍ジャパン強化試合メンバーに選出されている巨人戸郷翔征投手(22)が、WBC球を使っての初実戦で万全の投球を見せた。

27日、川崎市のジャイアンツ球場で行われた日本製鉄かずさマジックとのプロアマ交流戦に先発し、3回をパーフェクト投球。滑りやすいWBC球を「追いこね」で手になじませ、自在に操った。

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初の侍ジャパン入りで“起用法不問”を宣言した戸郷が、既にWBC球も自分のものにした。3回29球を投げ、無安打無失点。今月1日のDeNA戦以来の実戦登板も、最速149キロで5三振を奪い「約1カ月ぶりでも納得のいく投球ができた」と満足げに振り返った。

初回の3アウト目は、課題に挙げていたWBC球でのフォークで空振り三振に斬った。「真っすぐ、スライダー、フォークも操れて思うような投球ができた。ボールが抜けることもなかった」と合格点を付けた。

それでもNPB球よりは若干滑る。対策は「追いロジン」よろしく「追いこね」だった。手でボールを何度も「こねこね」し、滑りを緩和させる手法。「いつもこねてますけど、それよりもこねる感覚です」と説明した。初実戦にも「全くというくらい違和感がなく投げられたので、笑顔になるくらい良いボールでしたね」とまで言い切った。

チームでは先発で今季12勝を挙げたが、侍ジャパン栗山監督からはリリーフも含めたあらゆる起用法を打診されている。それを二つ返事で快諾した右腕は「今日のような投球ができれば結果はついてくる」と、初めての日の丸ユニホームに向け、好感触をつかんだ。【三須一紀】