巨人が広島長野久義外野手(37)を無償トレードで獲得することが決まった。2日にも両球団から正式発表される。

■丸の人的補償で広島入り

長野は19年1月に巨人がFAで獲得した丸佳浩の人的補償で広島に移籍した。19年から4年間、広島でプレー。5年ぶりの古巣復帰となる。

精神的支柱を担うベテランの復帰はV奪回への大きな力になる。巨人在籍中は盟友の坂本と合同自主トレを行い、ともに支え合ってきた。先輩、後輩、投手陣、野手陣問わず、誰からも慕われる。

■12年に坂本とそろって最多安打を獲得

職人気質の打棒が持ち味。ここぞの一打、勝負強さは野性味にあふれる。12年にシーズン173安打で坂本と最多安打のタイトルを2人で獲得した。

■「まだ、やれる。もっとやれる」

今季はプロ入り最少の58試合の出場にとどまり、3本塁打、打率2割1分1厘と低迷した。シーズン中は「まだ、やれると思っているし、もっとやれると思っている」と話していた。

かつて巨人の屋台骨を背負った“生え抜き”が舞い戻る。

◆巨人へ復帰した主な選手 国内の他球団から復帰したケースは、最近では脇谷がある。FAの人的補償で14年に西武へ移籍した脇谷だが、FAで16年に巨人へ戻った。他には巨人→近鉄→巨人の04年三沢、巨人→中日→オリックス→巨人の94年西本、巨人→阪急→巨人の81年柳田、巨人→東映→巨人の66年池沢らがおり、1リーグ時代には青田、藤本英、白石らが他球団から巨人へ復帰。メジャーから復帰組は98年柏田、18年上原、21年山口がいる。

◆野球協約105条(選手契約の譲渡)

(1)球団は、その保有する選手との現存する選手契約を参稼期間中、又は保留期間中に、他の球団に譲渡することができる。

(2)選手契約が譲渡された場合、契約に関する球団の権利義務は譲り受け球団に譲渡される。

◆長野久義(ちょうの・ひさよし)1984年(昭59)12月6日、佐賀県生まれ。筑陽学園-日大-ホンダ。2度ドラフト指名を拒否し、09年ドラフト1位で巨人入団。10年新人王、11年首位打者、12年最多安打。11~13年にベストナイン、ゴールデングラブ賞。18年オフ、丸のFA移籍に伴う人的補償で広島に移籍。20年9月22日巨人戦で全球団本塁打を達成。13年WBC日本代表。15年3月にテレビ朝日の下平さやかアナウンサーとの結婚を発表。180センチ、85キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸1億2000万円。