新任の阪神平田勝男ヘッドコーチ(63)がインタビューに応え、二遊間の併殺プレー強化に鼻息を荒くした。自身3度目のヘッドコーチ就任。05年リーグ制覇時も岡田阪神をヘッドコーチとして支えた参謀は、17年間もVから遠ざかる現状をどう分析しているのか。熱さあり笑いありの「平田節」の一問一答は以下の通り。

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-岡田阪神発足から2週間超。秋季キャンプ第1クールを終えた新チームの雰囲気は

「選手たちは、どういう方針で野球をするのかなと、(10月24日開始の)甲子園の秋季練習では手探りでやっている感じだった。監督の野球に対する気持ちとかさ。でも、秋季練習第2クールからは監督とコミュニケーションを取る選手が多かった。ユニホームを着てグラウンドに立つと、声をかけたり指導することが一番のコミュニケーションだからね。秋季練習を経て、スムーズに安芸キャンプに入っていると思うよ。選手間でも情報を共有しているだろうし、フェニックスリーグから来た選手も違和感なくスムーズに入れているな」

-岡田さんの目指す野球とは?

「守り。特に二遊間。ゲッツーの連係練習を見ると、現役時代にやっていたことを思い出す。吉田監督だったり、安藤さんだったり、中村勝さんだったり、優勝したときは吉田義男さんという内野に厳しい注文が多い監督さんのもとで育てられた。岡田監督も内野手出身で二塁に就いて、俺が遊撃。1軍でも2軍でもシートノックをうるさく言ったり、カットにきっちり投げる連係プレーを大事にするとか。ゲッツーの連係のトスひとつでもどこに投げたらより良くなるという細かいところまで求めている。そんな点ボコボコ取れるに越したことないけど、そうはいかない。毎年セ・リーグトップのエラー数だということや、ヤクルトよりやっぱり30くらいゲッツーが少ないわけでしょ? そういうところをちょっとずつ改善していけば、マイナスのところがプラスに変わる」

-岡田監督は「厳しい」というイメージも少なくない

「普通だよ、普通! 野球大好き人間じゃない? 野球大好き、タイガース大好きだよ。厳しいなんて当たり前でしょ? 併殺を取るところで取るとか、勝負がかかっているんだから当たり前。ファインプレーはいらんって言ってる。打ち取った打球を当たり前に捕ってアウトにする。投手陣のブルペン投球にしたって、休みがあってまた4日間練習だから、21日間投げるわけじゃないんだからね。安藤投手コーチも800から1000球を秋季キャンプで投げさせると言っていた。第2クールまで直球しか投げさせないという監督の意向に明確に沿っている。2月の春季キャンプにもつながることだから、ちゃんとメニューを組んでいる」

-岡田監督は05年から考え方などが変わってる部分は感じるか

「いやいや、野球に対する考えは一緒。野球が好きで、よくテレビで見ていたんだなと感じる。まだまだ実戦じゃないし『アピールせんでええ。ちゃんと見てるから』と選手たちの練習のレベルとかを独特の言い回しで伝えているね」

-岡田監督との安芸での思い出

「このグラウンドでずっと二遊間の併殺の練習だよ。吉田義男監督が『捕ったら投げんかい! そんなもん簡単やないかい。こんなんノックやなくてキャッチボールや! 』って。だから、それでエラーするなんて考えられない。三遊間の打球だったらこう投げるとかあうんの呼吸だったし、岡田さんも肩が強かった。あの頃は併殺つぶしがあった。スライディングも想定して、どう投げないといけないも考えて練習をしていた。今は走者もコリジョンルールでつぶしにいけない。だから今、内野手も捕手も昔より楽になっているから、もっともっと(併殺を)取らなきゃいけないね」

-その時代に比べると今はまだまだ

「まだまだだけど、期待だね。秋季練習で併殺プレーを練習した翌日にはみんな要領をつかんできていたよ。最初は高いバウンドもこうやって投げんかいなって言ったりもしたけど、もうスムーズにできている」

◆平田勝男(ひらた・かつお)1959年(昭34)7月31日、長崎県生まれ。海星-明大を経て81年ドラフト2位で阪神入団。主に遊撃で活躍し85年の日本一に貢献。ゴールデングラブ賞4度。通算979試合、打率2割5分8厘、23本塁打、220打点。94年に現役を引退し、97年に内野守備コーチ就任。02年から星野監督の監督付広報を務め、第1次岡田政権の04年から1軍ヘッド。07年から10年まで2軍監督。野球解説者を経て13年から2度目の2軍監督。和田監督時代の15年に2度目の1軍ヘッド。金本監督誕生の16年から3年間1軍コーチを務め、矢野監督誕生の19年から3度目の2軍監督。ファーム2連覇を果たし、今オフ3度目のヘッド就任。阪神一筋のプロ野球生活を送る。右投げ右打ち。177センチ、77キロ。

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