17年12月、巨人時代の日本ハム宇佐見真吾捕手(29)が母校の千葉・松戸市立幸谷小を訪れた。

緊張の面持ちで全校生徒約470人と交流する宇佐見を、担当記者として取材した。

肌寒い季節なのに額に汗を光らせながらも笑顔で子供たちと接する姿は、目配りも気配りもきく宇佐見らしかった。母校訪問は滞りなく終了したところで、元気な小学生たちを見ながら頭に浮かんだ。

「宇佐見って、どんな小学生だったんだろう」

学校の許可を得て、卒業アルバムをめくった。

あれから5年。ももクロの高城れにと結婚したといううれしいニュースを耳にして、当時の取材メモを読み返してみた。卒業アルバムには、宇佐見の人柄が詰まっていた。

■「何でもラン王(キング)」

同級生たちが、各項目の上位3人を選ぶコーナー。宇佐見は「美男美女」で第2位、「オリンピック選手になりそうな人」「制服が似合いそうな人」「バラが似合いそうな人」で第3位だった。

■「卒業文集」

タイトルは「友達」。丁寧な文字でつづられた小6の宇佐見の思い。今を形成する思考が記されていた。

「いろんな友達が、いるけど、一番良い関係は、お互いに信じ合っていつでも困ったことがあったらすぐに相談できることだと思います。そういう関係だったら、すぐに仲直りできると思います。だから、友達とは、かけがえのないものだとぼくは、感じています」

「これからもいろんな人を大事にしていきながら、自分もいろんな人から大事にしてもらいたいと思っています」

結婚を発表した6日、宇佐見と高城がそろって東京・築地の日刊スポーツ新聞社に、結婚を報告するために来社した。デスク業務の手を休め、写真撮影をする幸せそうな2人を少し離れた席から見詰めていると、宇佐見と目が合った。宇佐見は優しいほほ笑みを浮かべ、コクッと会釈して大きな体を少し前に傾けた。

2人は宇佐見真吾が少年時代から大事にしていた「友達」から「恋人」に発展し、「最良の伴侶」となったという。卒業文集にあった宇佐見少年が大切にしていた思いは、年を重ねても根っこの部分でしっかりと生きていたのだと実感した。

この日の写真撮影で手にしていた色とりどりの花束には、小学生時代に「似合う人第3位」に選ばれたバラはなかった。でも、久しぶりに目にした29歳の宇佐見は、とびきりの美女と紫が映える花束が似合う、さらにいい男になっていた。【11~12年、15~17年、21~22年巨人担当=浜本卓也】

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