日本ハムドラフト1位の矢沢宏太投手(22=日体大)は16日、横浜市内のホテルで仮契約を結び、契約金1億円プラス出来高5000万円、年俸1500万円で合意した。二刀流ならぬ「矢沢流」でルーキーイヤーから旋風を巻き起こす決意の矢沢は2枚の色紙に「開幕1軍」と「新人王」とそれぞれしたためた。「開幕戦に向けてがむしゃらにアピールしていきたい」と意気込んだ。

報道陣から契約金の使い道について問われると「家族が欲しいものがあれば買ってあげたいと思います」と笑顔で答えた。矢沢はドラフトの指名漏れを経験した藤嶺藤沢高3年時に父明夫さんが他界。大学4年間は母香さんや姉咲来さんの支えを受けながら野球を続けてきた。「やっぱり一番は自分が長く野球を続けることが恩返しになると思う。長い時間をかけて恩返ししていきたい」と語った。

日体大の寮で使ってきたマットレスは、二刀流の大先輩、エンゼルス大谷も愛用している西川の「エアー」シリーズ。プロ入り後も使用していくといい、「(勇翔寮でも)使っていきたいです」と語った。大学最後の舞台となった関東地区大学野球選手権後は連日、投打両方の練習をこなす日々を送っている。新人合同自主トレを二刀流で臨むかは未定だが「その準備だけはしていきたい」と話す。「どれだけできるか楽しみですし、自分にいろんな可能性を求めていきたい」と矢沢流で挑む1年目に向けた抱負を語った。(金額は推定)【石井翔太】