国学院大(東都大学)があと1歩で初優勝を逃した。鳥山泰孝監督(47)は「1点差ゲームになることは当然予測する中で、明大の粘り強さにやられたかな、という思いです」と悔しさをにじませた。

3回、先発の武内夏暉投手(3年=八幡南)が制球を乱し3四死球で1死満塁とすると、蓑尾海斗捕手(4年=日南学園)の右前適時打で1点先制された。4回から代わった坂口翔颯投手(2年=報徳学園)は7回まで明大打線を2安打無失点に抑える好投を見せたが、打撃陣が明大・先発の村田賢一投手(3年=春日部共栄)のキレのいい変化球を捉えきれず。本塁が遠かった。

今年「日本一の実現」をスローガンに掲げスタートした。昨年春、秋とリーグ連覇を果たし神宮大会出場。4強進出を果たしあと1歩で日本一を逃した。「現実味をもって日本一へのプロセスをイメージできた」と、優勝を明確な目標に据えた。

今年、3季連続優勝を逃し2位で終えると、その理由を徹底的に分析した。チームの弱さを浮き彫りにし、夏は徹底的に練習した。春のリーグ戦、全国制覇を果たした亜大の犠打数は43、盗塁は28。それに対し、国学院大の犠打数は25、盗塁は半分にも満たない7だった。春のリーグ戦が終わり6、7月は基礎練習が通例も「今年は実戦練習に取り組んだ。1死三塁でどうやったら得点するか。走者一塁でエンドラン、どう守って、どう攻撃するかです」と鳥山監督。秋は犠打は35、盗塁は19と、春とは見違える数字を残した。今大会、準決勝の大商大戦、3点目は、セーフティーバントで決めるなど機動力も発揮。少ないチャンスをものにした。投手陣も、けん制、クイック、セットでの投球。走者が出たときの変化球。実戦練習で磨く。春の敗戦に学び、戦力を整えたが、あと1歩及ばなかった。

鳥山監督就任以来、一年を通じては初めてとなる「レギュラー外の主将」として、チームを支えた古江空知外野手(4年=大分商)は「正直、チームの技術的な差は感じませんでした。でも、相手ベンチの気迫だったり、そういう少しの思いに差があるかな、というのが率直な感想。1試合にかける思いに、もう一度こだわって来年頑張って欲しいです」と、涙ながらに話し、「日本一の実現」を後輩たちに託した。【保坂淑子】

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