「30発バット」準備OK! 阪神佐藤輝明内野手(23)が2日、大阪市内で3年ぶりに行われた「ミズノブランドアンバサダーズミーティング」に初参加し、来季使うバットを担当者と打ち合わせた。秋季キャンプで使用した大山悠輔内野手(27)モデルを改良。グリップエンドの直径を小さくした分、遠心力を生かしたスイングでアーチ量産を狙う。阪神からは大山や糸原、高山も参加し、戦闘用具を見定めた。

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佐藤輝はしきりに、グリップエンドを確認していた。バットクラフトマン(職人)の名和民夫氏(55)に依頼していた試作品をチェック。バットと対話するように感触を確かめた。

特にこだわったのがグリップエンドだ。「右手の小指をグリップエンドにかけて打っているけど、どうしてもヘッドが下がりやすくなる」と自己分析。悪癖改善へ「小指をかけた状態でも、ヘッドが下がらなくなるような形状にできないか模索している」という。秋季安芸キャンプから使用し、好感触を得ていた大山モデルのバットに、さらにアレンジを加えていく。

名和氏はこの日、グリップエンドの直径を小さくしたものを準備していた。同氏は「なかなか数値のこと言えない」としたが、「(変更した)大きさとしてはかなりの大きさ」と大胆な改良を施したことを明かした。グリップ部分が軽くなる分、バットのヘッドは重くなる。操作性が低下する恐れはあるが、より遠心力をかけることができ、飛距離アップが期待できるという。「大山選手のものよりも、ちょっと長距離砲(用のバット)に寄ってくる」。佐藤輝が1日の契約更改の席で明かした目標の30本塁打を実現するために、これ以上ない新愛棒といえる。

プロ1年目の昨季は、ヤクルト村上、広島堂林モデルの2種類のバットでスタート。その後、近大時代に使用していた西武栗山モデルの33・5インチ(約85・1センチ)と同じ堂林モデルを改良したものを使用した。プロ2年目の今年はフィット感を重視し、グリップエンドを大きめに変更。最高の1本に出合うために、毎年試行錯誤を続けている。

「今日、お話ししたアイテムが上がってくるのが楽しみです」と心躍らせた。オリジナルのロゴ「TS8」のマークも日本野球機構(NPB)のルールのもと、新バージョンに変更予定。こだわりの新愛棒でアーチ量産に挑む。【中野椋】

○…大山が「ミズノブランドアンバサダーズミーティング」で一塁ミットの打ち合わせを入念に行った。来季一塁で固定起用される方針の背番号3は「来季用にオーダーしたファーストミットを今日初めて見せてもらいましたが、革の感じや仕上がりもとても良い感じでした」とうなずいた。ボールのおさまりやフィット感を大事にしているといい、この日さらにオーダーを追加。「来シーズンに向けてしっかり準備していきたい」と引き締めた。

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