中日からDeNAにトレード移籍した京田陽太内野手(28)が5日、横浜市内の球団事務所で会見し、“強制送還”を通告された横浜の地で再起をかけることを誓った。5月4日のDeNA戦で精彩を欠き、懲罰交代で試合中に名古屋へ帰還。自虐を交えながら、新天地で遊撃のレギュラー奪取を目標に掲げた。佐野らが本塁打パフォーマンスで使用する「デスターシャ」の披露にも意欲を示した。年俸は5000万円(推定)で背番号は「98」に決まった。

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あの日味わった屈辱を笑いに変え、京田は新天地で復活にかける思いを込めた。精彩を欠き、試合中にハマスタから名古屋に戻った5月4日のDeNA戦から215日。入団会見で「元々、横浜スタジアムは好きだったし、相性も良かった。ちょっと自虐ネタになりますけど、強制送還したところにまた戻るっていう、楽しみな部分もあります」と笑みがこぼれた。

砂田との電撃トレード発表から17日。すでにDeNA京田として、チームとファンに溶け込むための準備も進める。主力の佐野、牧の情報を収集し「ゲームの方も好きみたいなんで、そういう話も一緒に」とイメージ。2人が好きなゲーム「マリオカート」も練習中で、本塁打パフォーマンス「デスターシャ」については「ファンの方々と一緒にやれたら」と願った。

個人の目標には「遊撃で143試合レギュラーで出ること」と掲げた。1年目から5年連続100安打を記録するなど豊富な実績を誇るが、今季は43試合に出場し、打率1割7分2厘、3本塁打、8打点と低迷。このオフはバットを振り込むことを継続しながら、大和、森、柴田との定位置争いに向け「まずは守りからアピールしていきたいです」と力を込めた。

DeNAには「チャンスをくださって、感謝の気持ちでいっぱいです」と頭を下げ、中日へは結果での恩返しを秘める。「寂しい気持ちはありますけど、活躍して恩返しというのはあります。今年ベイスターズにこてんぱんにやられていますので、もっとこてんぱんにできたら」と18勝6敗1分けと勝ち越した今季を超えることを誓った。【久保賢吾】

○…京田は、木下雄介さんへの思いを込め、背番号「98」を希望した。「98」は中日時代のチームメートで21年に急逝した木下雄介さんの背番号。この日は直接語ることはなかったが、昨年の契約更改では「雄介さんのために頑張ろうという思いでプレーした」と語るなど思いは強く、特別な番号で新天地でのスタートを切ることを決めた。

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