日本ハムドラフト1位の日体大・矢沢宏太投手兼外野手(22)が目指す“矢沢流”に追い風が吹いている。公認野球規則が改正され、来季から先発投手がDHを兼ねることができる、いわゆる「大谷ルール」の導入が決まった。プロで二刀流に挑戦する矢沢にとっては可能性が広がった。規則改正の後押しも受け、ルーキーイヤーから投打で暴れ回るつもりだ。
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「1番DH兼投手矢沢」。来季、そんなアナウンスが球場に響き渡るかもしれない。プロ1年目から二刀流に挑戦する矢沢に吉報が届いた。今月開かれたプロアマ合同の日本野球規則委員会で、規則が一部改正され、来季からの「大谷ルール」導入が決まった。先発投手がDHを兼ねることができ、降板後もDHとして打席に残ることが可能になった。「投手をやってその後、DHに入るってことですか。やりたいです」。そう語る矢沢の目はぎらぎらと輝いていた。
プロではDH制を採用しているパ・リーグで大谷ルールが導入される。今回の変更は米国のルール改正を受けたもので、メジャーでは今季から取り入れられ、エンゼルス大谷が史上初の同一シーズンで規定打席と規定投球回に達した選手となった。
投手と野手での活躍が期待されている矢沢にとって、起用の選択肢が大きく広がった。先発か中継ぎか明確になっていない投手としての利益は不透明な部分があるものの、野手矢沢にとっては出場機会が増えるメリットがある。「本当にプレーの幅が広がったなと思います。出場できる時間が増えることはプレーヤーにとってすごく大きいこと」と期待感を語った。
今回の規則改正は打席数の上積みにもつながりそうだ。レギュラーの座をつかめば、先発で登板した試合で打席に立つチャンスが増え、規定打席到達にも近づく。投打の両立を目指す矢沢にとって大きな後押しになる。「規定打席に関しては狙っていきたい」。1年目には新人王、将来的には首位打者を目指すと宣言したホープ。ルール改正を追い風に「矢沢旋風」を巻き起こす準備はできた。【石井翔太】
<兼業選手増える>
大谷ルールの導入で球界全体に「二刀流化」が波及する期待も大きくなっている。今季から二刀流に挑戦している日本ハム上原は、まだ野手としての公式戦出場はないが、来季以降、二刀流が実現すれば規則改正の恩恵を受ける。交流戦では中日根尾も活用する道が開ける。広く効果が波及しそうな規則改正に矢沢は「このルールができることで、どっちもやりたい選手が増えてくるのかなと思います」と二刀流仲間が増えることに期待している。
◆規定打席&投球回 規定打席=チーム試合数×3.1(小数点以下は四捨五入)と定められ、143試合の今季は443打席。今季の到達者はセ・リーグ20人、パ・リーグ21人。日本ハムは松本剛、清宮の2人。規定投球回=チーム試合数×1.0で、今季は143イニング。到達者はセ10人、パ9人で、日本ハムは加藤、伊藤、上沢の3人でリーグ最多だった。



